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森林経営計画の欠陥

最近、全国の自伐林家や集落の共有林や財産区を管理する方々から急に連絡が相次ぎました。
その内容は森林組合からの圧力に対する反発の連絡でした。
森林組合からの圧力というのは、森林経営計画を立てるための「提案型集約施業」なのです。
この提案を受け取った個人や団体は、かなりの確率で圧力と受け取っています。

九州の約30ha所有する自伐林家からは、切羽詰まった声で「森林組合に山を取られる」と訴えてきました。どうしたのだと言うと「森林組合と地元有力者(議員)がやって来て、今後個人は100ha以上ないと経営計画たてられない、30ha所有の君では林業やるのは無理だ、今後はあきらめて森林組合に山を提供しなさい。君が判を押さないと地域が困る」という言い方で迫ってきたとのこと。彼は地道に長年自伐林業で収入を得てきた人、その彼が森林・林業再生プランの森林経営計画で窮地に陥っている。彼は悔しさのあまり震える声で「どうして森林組合に山を強奪されないといけないのか、中嶋さん何とかしてくれ!」と震える声で訴えられたのです。私も声が詰まり「その怒りを国に対して声を上げてくれ、そうしないと国はわからない。私は立場で何とかするから」としか言えませんでした。

また、山口県の共有林を管理してる幹部の方からは怒りに満ち声で「森林組合は詐欺をしている、この国の林野行政はどうなっているのだ」ものすごい剣幕で連絡が来ました。さらに「中嶋君、自伐林業を推進しているのなら今こそ勝負をかけよ、現場の我々は山を収奪されかけている」と怒りに満ちた連絡でした。
秋田県の財産区を管理している方からも、林業研修時に同じ相談を受けました。全国でこのような強引な収奪が森林組合により引き起こされているようです。まことに困ったものです。林業盛んなある県の県庁職員の方からは「提案型集約施業の研修で、そうしろという説明がなされている」との見解を聞きました。要するに林野庁あげてこういうことを推進していると言えます。まったくふざけています。

それと何と、徳島県の有名な自伐林業家である橋本さんからも、打ち明けられました。橋本さんは家族で山林を100ha以上所有していますが、橋本さん個人になると100ha以下です。当初徳島県からは家族で100ha所有しておれば、森林経営計画は属人でたてられるから心配するなと言われていたようですが、ここへ来て地元の森林組合が「家族で持っていてもだめだ、個人で100ha持っていないと、経営計画は立てられない。故に橋本さんは無理なのだ。故に森林組合に山を差し出せ」と言われたとのこと。橋本さんは怒りに震え「息子の所有にするから、それまでは立てない」と反論したそうだ。橋本さんの山まで収奪しようという魂胆か。

これどういうことかというと、ある一定以上山林(30ha以上ぐらい)を所有する自伐林家や共有林、財産区等が完全に森林組合のターゲットになっているということだ。集約しやすいところから奪うというやり方のようだ。提案型集約施業は完全に自伐林家潰しに使われているということだ。まったくの森林経営計画の悪用と言える。「収奪型集約施業」である。悪用されるということは、森林・林業再生プラン及び森林経営計画が、まったくの欠陥施策ということを証明したと言える。それも施行が始まった直後からである。放置していると大変な事態を招きます。早く修正しないととんでもない結果を招くと言えます。

林野庁はこの事実に対してどう対処するのか、この記事を見ている林野庁職員には反応をお願いしたい。
そして同調してくれる方はシェアしてほしい。いま日本林業はとんでもない方向に進んでいると言えます。
常識ある皆さんに反応していただきたいと切に願っています。
by ken_nakaji | 2012-11-29 06:03 | 森林
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