写真はここ半年の内に全国で見かけた間伐し終わった山林です。正直「荒い施業」「荒い作業道」です。一気にこういう荒い間伐施業が全国で頻発しております。この状況を非常に危惧しております。請負事業体ではこういう施業が一般化し、悪いと思っていないことも大問題です。
 請負事業体は赤字を避けるために、1回1回の間伐施業を採算合わせることに全力を注ぎます。目の前の間伐施業を採算合わせるために、如何に売上を上げるかに必死になります。高投資・高コストのかかる高性能林業機械を導入しているためそのコストと人件費を上回る売り上げを上げることが必須です。そのためにとにかく間伐率を上げるしかありません。写真の山林は5~7割間伐がおこなわれているとしか思えません。材積ベースでは8割を超えているのではと思われるものも増えています。平成23年度から実施された森林・林業再生プランの補助制度はこれに拍車をかけました。間伐出材量を増やせば増やすほど補助金額が上がり、大きい作業道を敷設すればするほど補助金額が上がる制度が導入されました。間伐補助金はそれまで約20万円/ha程度だったものが、出材量を最大(haあたり100m3)にすれば5倍の約100万円/haまで上昇する制度(100ha以下の小規模施業者の補助金をカットし、大規模施業者の補助金を何倍にも上げること)となりました。故に、施業実施者は間伐率をより上げる方向に、より大きな作業道を敷設する方向に一気に動きました。全国の森林組合や事業体がこの方向に動き、写真のような山林が一気に増えたものと思われます。
 実は、これまで委託していた山林所有者が、こちらの話を聞き自伐化したいと相談を受ける場合があります。しかし、こういう山は間伐と言いながら、実は主伐されているのに等しく、向こう数十年収入をあげることができない山林になっています。一気に過間伐され環境が激変した山では風害や雪害を受けやすくなり、また枯れる立木も増えます。残った流木は傷つき、細く曲がったものばかりです。荒い作業道は崩壊があちこちで起き、進むことすらできない山もあります。長伐期施業など、全くできない状況になってしまっています。皆伐施業も増加し、採算割れから再造林されない山も急増していますし、土砂流出も続きます。
 間伐を依頼した山林所有者は、ある意味間伐意識が高かった所有者です。しかしそれがアダとなった状況と言えます。やはり「知らない」「間違った固定観念」は実にまずい状況をつくり出します。非常によくない状況に追い込まれているように感じます。意図したかしなかったかは別にしても、森林・林業再生プランにより、日本の森林にとって悪い大きな流れがつくられてしまったように感じます。
 この流れを止め、よい循環に変えるためには、遅いように見えても全国各地域にて、一人一人の山林所有者と地域住民の意識を変えるしかありません。自伐型林業普及はまさにこれを実践しています。自伐型林業はこれと全く逆の持続可能な長期的森林経営と森林環境保全を両立させる林業手法です。どこまで進展されられるか、大きな波に小さな力で挑んでいるという状況です。まじめな林業家の皆さん、心ある皆さんにはぜひ協力いただきたいですね。
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宿毛市で軽架線による搬出研修をおこなってきました。
約20人ほどの地元の方々が参加されましたが、かなり本気の方がたくさん参加されていました。
宿毛市市役所がその反応に驚いておりましたが、自伐林業に対する地域住民のポテンシャルの高さを感じさせる研修になりました。本格化させたい人たちがうずうずしている状態です。すぐにでも2~3チームできるのではないかという感じです。
役場の支援がかゆいところに手が届くようになれば、すぐに数十人の林業家が生まれることでしょう。
今回は、間伐・造材・搬出・運搬・販売(木質バイオマス発電所へ出荷)までを研修内でおこないました。
このように全国に林業家になる可能性がある人がたくさん埋もれています。これまでの林業はこれらの方々が排除されてきましたが、自伐はこれらの方々に光りをあてることができます。まさしく太陽の林業ですね。
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四万十町でも自伐型林業展開が動き始めました。
佐川町、宿毛市、(仁淀川町)、高知県内の市町村徐々に増え始めました。
大きな流れになる前兆になってもらいたいですね。
全国各地で作業道敷設を身に付けるための研修が、ガンガン実施されています。
写真は、気仙沼市と長浜市です。
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智頭町の自伐型林業が面白くなりそうです。
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自伐型林業者育成に本腰を入れる自治体が増えています。
現在、高知県佐川町、滋賀県長浜市、宮城県気仙沼市、岩手県陸前高田市、鳥取県智頭町で本格化しています。島根県津和野町、高知県宿毛市でも、高知県の林業大学校でも始まっています。
民間団体でも、和歌山県ではみなべ川森林組合が研修を始め、高知県四万十市のシマントモリモリ団、岩手県大槌町のNPO吉里吉里国、宮城県南三陸町のNPO、高知県四万十町の地域団体でも始まっています。大手農機具メーカーや福祉団体でも検討が始まっています。

まだまだ全国的にみると小さな流れですが、これをどんどん大きな流れに発展させていきたいですね。(写真は先週行った、気仙沼と長浜市の研修です)
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この写真は林野庁長官室なのですが、
あまり林業とは関係のないタケダ薬品さんの段取りで、先日訪問させてもらいました。
タケダさんはアリナミンの売り上げの一部で東北復興支援事業を展開しており、我々もお世話になりました。その中に森林・林業関係もあり、こういう会談に至ったという感じです。
今回は要望するというようなことは一切せず、独り言を言ってきました。どう判断するかは林野庁さんにお任せです。
いろんな場面で、自伐情報を出していくことだ重要ですね。
しかし、昨日の東京は暑かった。
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長浜でも自伐型林業研修が始まりました。チェーンソー研修2回目ですが、既に30人を超える人たちが参集してくれています。興味のある人は多そうです。
山も少し見させていただきましたが、自伐展開するには魅力的な山が多いことに驚かされました。やはり大きなポテンシャルを感じます。あわてずじっくりと進めていきたいですね。
長浜の皆さん、よろしくお願いいたします。
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長浜の後は京都で一泊し、「スーパーはくと」に乗り、『鉄景』を楽しみながら智頭へ行ってきました。

智頭でもいよいよ自伐型林業展開が始まります。役場と地元若手住民が連携してのスタートです。
キックオフのフォーラムや研修スケジュール、展開手法等について協議してきました。皆さん前向きで、面白くなりそうです。
若手の地元林業家に加え、地域おこし協力隊、若手IUターン者が早速呼応してきています。古くからの山旦那衆も徐々に巻き込んでいこうということになりました。いい感じです。
石破地方創生大臣の地元でも地方創生のカギとして自伐展開が始まりました。

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富山黒部の宇奈月温泉にも行ってきました。
観光ではなく自伐型林業の広報です。
黒部は水の豊富なところで水力発電が盛んなところです。写真のバスは小水力発電で逐電した電気を充電して走る電気バスです。
この宇奈月温泉地域が木質バイオマス+自伐に動き始めました。
宇奈月温泉の複数の旅館に薪ボイラーを導入して、自伐林業者が原木出荷する完全地域循環型で、自然エネルギー推進と地域就業を拡大する取り組みを始めようという計画です。
宇奈月チームは地元旅館の社長さん、地元土建屋さん、財産区長さん、市会議員、富山国際大学、富山県立大学の方々の混成チームです。動きそうな予感を感じました。今回の段取りは富山国際大学の上坂教授です。
ただ残念ながら地元自治体(黒部市)が入っておりません。どうも役場は腰が重いようです。
しかし、今回多き一歩を踏み出した感があります。頑張っていただきたいし、我々も強力に支援したいですね。
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先週「全国中山間地域振興対策協議会」の総会で講演させてもらいました。
この協議会の特徴は、メンバーが中山間地域の市長村長がなっているといこと。今日の参加者も皆さん首長さんばかりで、これだけの首長さんたちの前で話することは、珍しいことです。(参加者は30人を超える首長さんと県幹部の方々)
さすが鋭い方は多い感じです。かなりの首長さんたちは、大いに興味を持っていただいたようです。
何とか政策実装するまでになってもらいたし、こちらも支援していきたいですね。議連とも連動していただけるとなおよいですね。新たな展開が生まれることを期待しましょう。
 
 この会合で農林水産省幹部より「新たな食料・農業・農村基本計画について」という講演が私の前にありました。

その話に対して東北の首長さんより、農業経営の方向性について、農水省の話は大規模化・機械化・高付加価値化等という方向が強く、中山間地域の条件不利地にあてはめることが難しい方向ばかりで、その点について危惧を覚える。誰でも高付加価値化できる品種改良・開発等々、そういう逆の方向性も対処願いたい、というような内容でした。
それに対して農水省は経営モデル事例も載せているので、それを参考に対応願いたいというものでした。そのモデルを見ると専業農業事例ばかりでまさに大規模化・機械化事例が多く載っていました。

それを受けて、私の話になりましたので、中山間地農業再生のカギは、大規模化・機械化・高付加価値化ではなく、自伐型林業との兼業にあり、という感じでスタートしました。下を向いていた首長さんたちが、一気に顔が上がったのがわかりました。農業だけで生業化させようとするから、難しいことをしなければならなくなります。
自伐型林業を主業にして農業を副業として位置付ければ、かなり簡単に生業化させることができます。現況のままの農業で十分生業化させることができるのですが、皆これに気付いてないのです。これをベースにしながら農業も自伐もレベルアップさせればなお安定した経営を持続させることができ、若者の就業も可能となります。中山間地域は8~9割が森林です。1割もない農地では厳しいものがあります。この本質に早く、中参加地域の自治体に気付いてもらいたいものですね。

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# by ken_nakaji | 2015-06-30 10:50 | Comments(0)
「ニッキン」という聞きなれない新聞に載りました。
日本金融新聞ということですが、銀行業界の人は見てない人がいない新聞とのこと。
金融業界も自伐型林業に興味を示し始めました。
これまでのように銀行のCSRではなく、産業として、地方創生として捉え始めたということです。
福祉、メーカーに続き、銀行にもどんどん興味を持っていただきたいですね。特に地銀ですね。地方の大きな産業になる可能性を秘めています。
皆で協働しながら、大きな産業にしていきたいですね。
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6月18日、これまで案内してきた「自伐がひらく『地方創生』の時代~加速するNew自伐型林業~」を開催しました。
参議院会館の講堂が満杯になり、大盛況のうちに終了しました。
内容も自治体・現場・企業・福祉からの発表は実にいい内容でした。
これまでの専業事業体だけの林業には、全く関係なかった人や団体に広がっていることが重要なことです。自伐は参入者を大きく広げるということです。それをこのフォーラムで大きくアピールできたと感じました。
自伐議連からも20人近い国会議員の方が参加され、関係省庁からも20人以上参加してくれていたようです。全体の参加者は講堂がこれぐらいになると250人以上いる感じだと議連事務局が言っておられました。

スタッフの皆さん、議連の皆さん、登壇者の皆さん、お疲れ様でした。ありがとうございました。

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昨日は、自伐型林業推進協会の総会を大阪ボランティアセンターの会場をお借りしておこないました。
全国から40人を超える正会員の皆さんが集ってくれました。14時から17時40分まで、みっちりと有意義な議論が展開されました。事務局、先駆的自伐林業者(高知・愛媛・智頭・兵庫・岡山・吉野・新潟)、政策実装している自治体(津和野・益田・長浜)、森林組合(みなべ川・龍神)、支援企業、学者等と様々の立場の人たちが設立1周年を祝い、今後の展開について真剣に協議しました。
参加された林業家の方々は、今後の日本林業界の先駆者となっていくことでしょう。特に高知・吉野・智頭からは大勢の方々集ってくれました。

自伐による林業再生・地方創生の風が大きく吹き始めました。
その風は、夜も吹き続けていましたね。


翌日は大手メーカーとも具体的協働事業について前向きな議論ができました。実りのある2日間でした。

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「New自伐型林業のすすめ」が全林協から出版されました。
最近自伐型林業を始めた若者中心の事例集です。
本当はもう1年後ぐらいが充実した内容になると思っていましたが、出版社が早く出す方針であったのでこの時期になりました。
これから始める方々には参考になると思います。
ぜひ読んでみてください。
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現在のフォーラム次第です。

内容がかなり幅が広がり濃くなってきました。

研究者と実践者、国会議員と地方自治体、福祉からメーカーまで。自伐はどんどん幅が広がり始めています。

参加申込者もすでに100人を超えております。

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6月18日「自伐がひらく『地方創生』の時代」次第(案)

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開始時間:14:00(開会13:30)〜17:00

場所:参議院議員会館「講堂」

総合司会 家中茂(鳥取大学准教授)

【前半】 加速するNew自伐型林業

1, 開会のあいさつ 
新藤義孝(自伐型林業普及推進議員連盟会長代行)

2, 報告1「自伐型林業推進協会の1年と今後の展開」(20分)

中嶋健造(自伐型林業推進協会代表理事)

3, 報告2「自伐型林業フォーラムin吉野」(20分)
泉英二(愛媛大学名誉教授)

4, 基調講演「広がる若手の自伐型林業」(30分) 
佐藤宣子(九州大学大学院教授)

(休憩 15:30〜15:40)

【後半パネルトーク(15:40〜)】自伐協の一年とこれからの自伐(報告会)

司会 田野瀬太道自伐議連事務局長(コーディネーター 泉英二、佐藤宣子)

1, 議員(15分)

中谷元会長、坂本哲志幹事長、高野光二郎参院議員
※議員は時間の中で出入り

2, 現場からの報告と展望(30分)

堀見和道(高知県佐川町長)、土田孝洋(滋賀県長浜市)、谷茂則(谷林業)、宮﨑聖(シマントモリモリ団)、飯田大輔(社会福祉法人福祉楽団)、橋本康治(ヤンマー株式会社アグリ事業本部企画部部長)

3, パネラーやりとり 20分

4, 別分野より感想
堀尾(エネルギー)、見山(環境)、高野(農業)

5, おわりの挨拶(17:00終了予定)

主催:NPO法人 持続可能な環境共生林業を実現する自伐型林業推進協会

後援:自伐型林業普及推進議員連盟


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6月18日に「自伐がひらく『地方創生』の時代」が東京で開催します。
「持続可能な環境共生林業を実現する自伐型林業推進協会」の設立1周年記念のフォーラムです。

生業として成り立ち始めた、若手の自伐型林業者が、全国で陸続と増えてきております。また、福祉やメーカーとの新たな協働も始まっています。
中山間地域再生、地方創生のカギ!です。
興味のある方は、ぜひ参加ください。参加費無料です。
皆さん、拡散していただければありがたいです。以下詳細情報です。

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朝日新聞を購読している田植さんよりもらいました。
佐川町の所有山林で頑張る谷岡君です。
19歳で自伐初めて3年目で、持続可能な林業経営が確立され始めました。
四万十市の宮崎君も同じような状況です。自伐を始め、こういう若者が増え始めています。
一定の山林確保と自伐林業技術を習得すれば、割合簡単にこういう状況をつくれます。
先行する、安藤さんや明神林業の片岡君たちは、もっと稼いでいますね。
全国でこういう若者を多く輩出させたいですね。これこそ地方創生ですね。
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津和野町に自伐型林業を展開するために入っている地域おこし協力隊員が、吉野の清光林業さんに弟子入りして研修を受けています(約2週間ですが)。
彼らはまだ素人同然ですが、岡橋さんは丁寧に指導されていました。現場は100年のヒノキ林です。彼らは本当に恵まれていますね。きっちり技術を習得してもらいたいですね。
いっぱしの林業家になった暁には、大きな思い出になることでしょう。今後も積極的に学んでもらいたいですね。

今回は、そのほかに大阪で自伐支援を表明してくれそうなメーカーさんとの協議、長浜市役所と今年の展開の協議、吉野の谷林業さんとの懇談と、前向きな議論を集中的におこなえました。
かなり濃い3日間になりました。お酒も相当入り疲れもしましたが、有意義な3日間でした。間もなくその成果も見えてくるのではないでしょうか。
関係する皆さん、今後ともよろしくお願いします。

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日曜日、宿毛市でフォーラムが開催されました(チラシ参照)。
このフォーラムを皮切りに、役場主導で自伐型林業支援が始まりました。
今年の1月から大規模発電が始まりましたが、やはり材が集まらず稼働率が低いままのようです。一気に増えるわけではありませんが、これを契機に自伐展開を始めた宿毛市に敬意を払いたいですね。
講演会&説明会には、役場の予想以上の人が参集し、地域住民が興味を持っていることを証明しました。じわじわ増やしていきたいですね。
幡多エリアでは、四万十市と土佐清水市で自伐チームが立ち上がっていますが、三原村でも自伐チームが立ち上がりました。じわじわ全域に拡大し始めましたね。
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なぜ持続的経営を代々続け、高密度に「壊れない作業道」が入った自伐林家の森が、昨今の豪雨を受けても崩壊や土砂流出が起きないかというと、先の投稿で成川さんが気付いたように、この作業道が砂防の役割を果たしているからだと考えます。

岡橋さんは約100㎞の作業道が入っている約500haの山林、橋本さんの山林は100haに32㎞の作業道が入っています。お二人とも「壊れない道づくり」の大橋式作業道継承者です。

谷を渡る場合は「洗い越し」という手法で谷越えをします(最初の3枚の写真)。谷を直角に渡り、水を道の上を流します。道は平らになりますので、傾斜が強い谷は道が終わるとストンと落ちます。そこには木組みや石を使って落差が造られます。これまさに砂防工の「落差工」なのです。また小規模な「堰堤」の役目もしております。傾斜の緩い谷(3枚目)は「床固工(床止工)」です。土砂を止めたり、水流を緩めたり、河床が掘られることを防いでいます。
高密に入るということは、山林中の同じ谷を3~5回渡ります。ということは2~30mおきに3~5箇所「落差工」が敷設されたことになります。連続した落差工です。よく渓流砂防工事で見られます。

次は、平行な作業道が上から見たら、何段にも重なっています(4枚目の写真)。これはまさに砂防工の「山腹工」です。通常は土砂流出を防ぐために山に階段を造る感じになります。今、火山化している箱根の大涌谷にもありますね(テレビに頻繁に映されています)。大橋式作業道は尾根でヘアピンを繰り返しながら上へあがり、作業する山の腹では平行に、という基本があります。故にこうなっているのですが、大橋さんは長年の経験で砂防効果があるのをわかっていたのだと思います。故に2.5m幅にこだわっているのです。これ以上になると山腹工どころか、崩壊を招くことにつながるからです。2.5m以下だと逆に、崩壊や土砂流出を止めると。

最後は木組みです。木組みは明らかに小さなアンカーです。地すべり防止です。

実は、彼らの山は全く崩壊や土砂流出が起こっていないのではなく、起こっているのです。しかし、崩壊の起点のところや地すべりの起点のところで、小規模なところでこの作業道が抑え込んでいるのです。昨夏の豪雨(2千ミリ豪雨)の直後、橋本さんの山へ行くと、小さな崩れや谷に土砂が少し出ていました。すべて一つ目の作業道で止まっていました。橋本さん曰く「ユンボーでちょっとならせばすぐに使えるし、土砂が落ちたところは木組みで補強する。問題は全くない」と。そうなのです。大きな崩壊になる前に食い止めているのです。この繰り返しで、どんどん災害に強い森が出来上がってくるのだと、わかりました。

そして通常砂防工事は災害が起きてから工事されますが、作業道は災害が起こる前に敷設されます。予防工事と言えます。
壊れない「さぎょうどう(作業道)」は機能する予防のための「さぼうどう(砂防道)」と言えるのではないでしょうか。

これは自伐型林業の新しい価値であり、大きなステップアップかもしれませんね。


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以前からちょっと疑問に思っていたことが、最近わかってきました。
2011年東北の大震災があった後の夏、紀伊半島豪雨がありました。その際、紀伊半島のあちこちで山腹崩壊、沢抜けが相次ぎ、川上村や十津川村などは大きな被害を受け、熊野川等の紀伊半島の河川やその周辺集落は大災害となりました。

その際に、当時付き合いが始まった清光林業㈱の山林や、紀伊半島とほぼ同じ豪雨を受け山腹崩壊が相次いだ徳島県、その徳島の山奥で急傾斜の山林を経営する橋本林業の山林は、全く被害がありませんでした。清光林業の山林の裏山(川上村役場隣りの山)は大崩壊を起こしたのに、作業道が高密に入った約500haの清光林業山林と、同じく100haに32㎞の作業道がびっしり入った橋本山林は、びくともしないとういう現実を目の当たりにしました。

当時は、自伐林業により森林整備が進んだ山は崩壊しないと、胸を張っていたのですが、実は「森林整備だけで、この豪雨を災害なしで常に維持できるのか?今回はたまたまではないのか」という疑問符を持たざるを得ませんでした。それが昨年夏の、四国2千ミリ豪雨直後の橋本山林を視察し、少しその原因が見え始めました。

それが最近、確信に変わりはじめました。
「山に作業道を入れるのは、山に傷を入れることになるため、最小限に止めよ」とよく聞かされてきましたが、実はこれは従来の林業に当てはまることで、きちんとした自伐林業は違ってくるのです。これはこれまでの林業の盲点を突くことではないかと感じます。自伐そのものがこれまでの林業の盲点を突いてきたのですが、さらにその上を行くことがわかってきました。環境保全型林業、土砂災害防止型林業を示す重要な視点になりそうです。
皆さんわかるかな。写真はそのヒントです。

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