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自伐型林業推進協会の設立記念シンポのチラシができました。
興味のある方は是非参加ください。
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今週の月火と「壊れない道づくり研究会」、いわゆる「大橋学校」の皆さんが土佐の森・救援隊を視察に来られました。
会長は奈良の清光林業の岡橋清元会長です。橋本さんも、この会のメンバーです。
他、岡橋清隆さん、京大名誉教授の竹内さん、遠くは東京檜原村の田中さん、他全国のメンバーが20人来られました。事務局は和歌山龍神村の野村さんでした。皆さん林業のプロたちですが、あらためて自伐型林業を勉強していただきました。みなさん納得いただいたのではと思います。

特に岡橋会長、岡橋清隆さんは、よく理解してくれ、新たな組織である自伐型林業推進協会の正会員になっていただく約束ができました。

2日目の今日は、自伐林業展開2年目の佐川町の谷岡君を視察しました。まだまだ未熟なところはありますが、2年目でこれだけやれるという自伐林業の参入容易性を見ていただきました。いろいろ意見や励ましの言葉をいただき谷岡君も勉強になったのではと思います。
その後、昨日懇親会の折「軽架線を見たい」との要望があり、急きょ土佐の森の軽架線デモをおこないました。さすが皆さん、自伐林家もおられるし、それに近い人たちですので、軽架線の有効性を認めていただきました。この中から使う人も出るかもしれませんね。

ともかく、とてもいい視察会になりました。おそらくここの研究会のメンバーは自伐型林業の理解者、推進者になっていただけるのではと思います。
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これまで林業は事業体中心に展開されてきた現状があります。地域再生のためには、地域住民や若者のIUターン者が展開できる林業に開く必要があります。要するに日本林業のバージョンアップが必要なのです。
そのバージョンアップ策が「自伐型林業」推進政策です。低投資で参入容易な自伐型林業が地域で林業実施者を急増させ、林業イノベーションにつながると考えます。

そのために全国で増えつつある自伐林業者を支援しながら、さらなる増加・発展させるために支援推進組織を立ち上げることになりました。
6月12日(木)14:30~ 町村会館(東京永田町)立上げ記念シンポジウムをおこないます。
賛同いただける方、興味を持っていただける方の参加をお待ちします。また賛助会員の募集をこれからはじめます。よろしくお願いいたします。

団体名は「持続可能な環境共生林業を実現する自伐型林業推進協会」です。
趣意書の抜粋を以下に示します(これでも長いですが)。全文入手したい方は、連絡いただければ送付いたします。

この情報、拡散歓迎です。

------以下趣意書抜粋-------
持続可能な環境共生林業を実現する自伐型林業推進協会 設立趣意書

 自伐型林業とは、限られた森林の永続管理と、その限られた森林から持続的に収入を得ていく林業です。森林の経営や管理、施業を自ら(山林所有者や地域)行う、自立・自営型の実に普通の林業です。収入アップのためには、木材の質の向上や、森の多目的活用を目指すため、森を良好に維持していくことは必須条件となります。故に収入をあげる施業と良好な森づくりを両立させる、地域に根ざした非常に優れた環境保全型林業といえます。
 しかし現在の日本の林業は、これとは全く違う林業が展開されています。山林所有者や地域は、林業を自ら行うことをやめ、森林組合や業者に施業を委託する施業委託型林業(他者任せ林業)になってしまっています。農業では、自己所有の農地で自ら生産し、出荷・販売することが基本的な農業です。これは他の産業でも同様のことですが、林業の現状はまったく異なります。他者依存がきわめて強いのが今日の林業の姿です。長年この状況が続く中で、国の林業政策もこの「所有と施業を分離した」状況を大前提として展開され、山林所有者や地域から林業はどんどん遠ざかっていったと言えます。その結果、中山間地域から林業が消え去り、地域で林業実施者は森林組合のみという地域も多く、産業とは言い難い寂しい状況になってしまっています。最近ある地方新聞が、中山間地域衰退の原因という調査記事を発表していましたが、その第一原因は林業の衰退であると伝えています。昭和30年代の中山間地域は林業から多くの収入を得ていました。中山間地域は、その面積の大部分を占める森林と、主収入であった林業を捨てたわけですから衰退するのは当然です。故に中山間地域衰退を引き起こした“林業衰退”の主原因は、この「他者任せ林業」「所有と施業の分離政策」にあると言えるのです。
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 この現行林業の問題点と欠点を根本的に解決できる手法が「自伐型林業」です。限られた山から持続的に収入を得るため、自然に良質材を育てる長伐期択伐施業化し、自然更新や主伐を行う場合でも小面積単位の更新を行い、長期的な経営の中から再造林のコストと労働を捻出します。収入を上げていくためには良木生産(単価向上)や森林の多目的利用(森業・山業の付加)に向かい、森林環境を良好に維持することがその大前提となります。要するに持続的経営と森林環境保全を担保できる林業方式なのです。長年持続している自伐林家の山を見れば、それは一目瞭然です。このように自伐型林業は現行林業の問題点や欠点を補うことのできる非常に優れた林業なのです。
 しかし残念ながら昨今の林業からは、この自伐型林業が忘れ去られ、2009年から国策として展開された「森林・林業再生プラン」は「山林所有者や地域は林業に関心を無くし、実施能力がない」という前提に立ち、所有と施業を分離した施業委託型林業(他者任せ林業)一辺倒の政策となり、自伐型林業を政策の対象外に置いてしまいました。
 本当にこの前提は正しいのでしょうか。山村地域の高知県仁淀川町の地域住民に、アンケートを取ってみると、意欲を失うどころか「山を何とかせんといかん」と、十分に意欲を持ち、森林経営や林業実施能力も持っていることがわかってきました。実際に、NPO法人土佐の森・救援隊にて自伐型林業推進を実施し始めると、全国でそれに呼応する動きが一気に広がり、自伐林業家や自伐林業チームが増え始めています。林業就業者が一気に増える地域も出始めました。導入を検討する地域や自治体も増えてきております。これは国策にとらわれることなく、地域が自ら責任を持つ地道な林業を選択し始めたということです。国も林業界もこの現実に、真摯に向き合わなくてはならないと思います。
 自伐型林業の特徴は、長期的視点に立ち持続可能な森林経営を行い、環境保全・共生型の施業を展開し、木材生産だけでなく森を多目的に活用した森業・山業的な仕事を生み出します。さらに、大きな機械投資は必要なく、また副業からも始められ、低投資で参入容易であるため対応者が急速に増える特徴を持っています。要するに地域が対応しやすい林業なのです。高知県の仁淀川流域の取り組みでは、就業力も現行林業に比べ10倍近く大きいということもわかってきました。
 この優れた自伐型林業を日本において大きく展開できれば、林業再生のみならず、中山間地域にとっては地域のほとんどの面積を占める森林活用策となり、地域再生のキーと言えるのです。これは中山間地域にまだ大きな開発領域が残っており、都市からの人口還流を起こす可能性もあることを示しています。
 最後に、自伐型林業は現行林業と比較し、より良い林業手法の開発です。担い手間を比較し、実施者(団体や個人)を否定しているのではないということです。現在自伐型林業は個人やチームが展開している場合が多いですが、森林組合や業者でも展開できます。林業の担い手全てに優れた林業手法である“New自伐型林業”を提案しているのです。自伐型林業は森林組合でも業者でも個人でもチームでも、皆取り組める、古くて新しい林業手法であると考えています。
 この可能性ある自伐型林業ですが今、残念ながら支援する団体もなく、行政支援もほとんど受けられない状況です。この状況を打破していくために、この自伐型林業推進協会を立ち上げ、ネットワーク化していきたいと考えております。これから自伐型林業を展開したい人や団体、自伐型林業に転換したい人や団体、自伐型林業で地域再生を実現させたい自治体や地域等を支援していきたいと考えています。当然、国や行政への提言も行います。政治家や関連団体とも協働していきます。自伐型林業推進事業を開発・展開しながら、日本林業再生と農山漁村の再生に向けて前進していく決意です。意志ある皆様の協力を仰ぎたいと思います。ご賛同よろしくお願いいたします。

2014(平成26)年4月吉日
持続可能な環境共生林業を実現する自伐型林業推進協会
東京都新宿区西早稲田1丁目9番19号アーバンヒルズ早稲田207号室

理事一覧

中嶋 健造(代表理事/NPO法人 土佐の森・救援隊)
鶴見 武道(副代表理事/愛媛大学)
家中 茂(副代表理事/鳥取大学)
橋本 光治(橋本林業)
甲斐 良治(一般社団法人 農山漁村文化協会)
松村 和則(筑波大学)
四宮 成晴(NPO法人 土佐の森・救援隊)
笠松 浩樹(愛媛大学)
西岡 千史(THE JOURNAL)
上垣 喜寛(THE JOURNAL)

設立記念シンポジウム
平成26年6月12日(木)14:30~
全国町村会館 ホールA
東京都千代田区永田町1丁目11-35

--------以上----------
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昨年秋に自伐林業のシンポジウムを開催した時に、私の発表(自伐林業論)と説明資料、その後のディスカッションの感想を、参加された愛媛大学泉名誉教授が寄せてくれています。
泉教授は林学の先生です。これまで日本の林学に自伐林業論はほとんど存在せず、自伐林業を主にした論文もほとんど存在しません。要するに日本林学からすっぽり抜け落ちていた視点と言えます。
故に行政からも抜け落ちたのではないでしょうか。
泉先生も数年前まで、施業委託型の大規模林業を進めていたようです。それがかなり変わってくれています。日本林学にも一穴が空いた感があります。

少し長いですが紹介いたします。この感想は私の資料とセットなのですが、私の文章はかなり長いですので、ここでは載せませんが、参照する場合はこちらです。もしほしい方はコメントやメールで知らせてください。メール等で送付させていただきます。
自伐型林業を各地域に実装させるため、多くの人に読んでもらいたいため、拡散歓迎です。シェア等も歓迎です。

-----------以下引用-------
シンポジウムを聴いて
  泉 英二(本会会員・愛媛大学名誉教授)

 今回のシンポジウムには記録役を任され出席した。報告者の方々は発表時間が限られていたため意を尽くせなかった面もあったと思われるが、配付資料がたいへん充実していたので、こちらも併せれば趣旨は十分に伝わったと思われる。また、討論は白熱したやりとりが続き、いくつかの重要な論点が提示された。以下、今回のシンポジウムを聴いた私的な感想を述べてみる。

一 中嶋健造氏らの自伐林業論と研究者の見解
 中嶋氏らの主張はきわめて明快である。まず、日本の林業を、「施業委託型」と「自伐林業型」に区分し、国が積極的に推進している「施業委託型」については、①高投資・高コストである、②地域雇用力が低い、③皆伐を含む荒い施業が必然となり、山を荒らす、④連年収入が得られない、⑤前提となる集約化が困難である、といった問題点を挙げ、国の方向は根本的に誤っているとする。
 他方で、「自伐林業型」は、①低投資・低コストである、②地域雇用力は一〇倍以上、③間伐中心の長伐期で、環境保全的にも良い、④連年収入が得られる、⑤農業との兼業も容易である、⑥林業技術が小規模なので新規参入が容易である、⑦木質バイオマスエネルギー利用にも適合的、といったことで、林業的にもまた山村社会を持続させるためにも優れた方法であると主張した。さらに、「自伐林業」のやり方は、これまでの「家族経営型」だけでなく、「集落営林型」(集落の山林をまとめ、集落で経営)や、「大規模山林分散型」(大山林所有者(個人、企業、自治体、国)の山林を自伐林業ができる単位に分散化して経営)、などを開発中とのことである。
 このような中嶋氏らの主張に対して、佐藤宣子氏は、二〇〇五年及び二〇一〇年の世界農林業センサスの組換え集計に基づいて、自伐林家が素材生産シェアの二割弱を占めており、しかもそれがこの五年間で大幅に増加していることを明らかにした。これは中嶋論を大いに補強するものと評価できる。松本美香氏は自伐林家の活動実態を明らかにすべく、原木市場調査、林家聞き取り調査等を実施したが、明確な展望を描けるデータは得られなかったとする。

二 討論
 討論では、自伐林業の動き自体を否定する意見は出なかった。しかしいくつかの疑問・意見が表明された。①自伐林業を析出する基盤は崩壊したのではないか。山村はそこまで弱っている。②自伐林業方式で、地域や日本の森林全てを管理することは不可能ではないか。森林組合や第三セクター等の役割はそれなりにあるのではないか。③自伐林業では利益が出るというが、それは自分の身体を切り刻んで得た労賃部分にすぎないのではないのか。自伐でも請負でも林業が成立する価格水準を実現することが根本問題ではないのか。
 討論で出された論点はいずれもそれぞれに重要であり、今後さらに議論を重ねる必要がある。

三 私の感想
 中嶋氏らは自伐林業論を通じて、①森林・人間関係論、②森林施業論、③林業技術論、④林業経営論、⑤普及論、⑥地域論、⑦森林・林業政策論、などにまたがる多面的な問題提起を行っている。氏らの林業をめぐる在り方の主張は、きわめて包括的であり、全面的といえる。私は二年前に国の「森林・林業再生プラン」について詳しく検討した際、この政策にもっとも明確に反対論を提起したのが中嶋氏の自伐林業論だと評価したことがある(「山林」平成二四年一〇月号)。

 ①自伐林業論の射程距離
 ところで、中嶋氏らが提唱する自伐林業論の射程距離はどの程度と評価すべきであろうか。「森林・林業再生プラン」への批判というレベルにとどまるのだろうか。決してそうではない、というのが私の見解である。
 折しも今年は林業基本法が制定されて五〇周年である。林業界をあげて基本法林政(特にその構造政策)の評価をめぐる議論が行われると予想されるが、その際、この自伐林業論の問題提起は避けて通れないものになると私は考えている。
 一九五九年に設置された国の「農林漁業基本問題調査会」は、予想される第二次産業を中心とする経済発展に第一次産業はどう対応すべきかを議論した。農業については、生産政策(選択的拡大)、構造政策(自立経営農家の育成)といった目新しい政策を打ち出し、それが六一年の農業基本法に結実した。
 他方で、林業関係の答申では、構造政策において、当時、林業生産活動が活発だった「家族経営的林業(=農家林業)」を担い手に措定したため、大きな議論を呼んだ。「家族経営的林業」の考え方は農業における「自立経営農家」の育成政策と表裏一体の考え方ともいうことができるが、この構造政策は、①伝統的林学の考え方では、「林業とは大面積所有者が行うもの」との固定観念があり、それを答申が「資産保持的」として否定したこと、②これまで独立していた、農政と林政が担い手政策で強い連携を持つことになること、といった特徴を持っていた。大山林所有者や全林野だけでなく、おそらく林野技術官僚もこのような方向を認めることはできなかったのではないか。その結果、農業のように直ちに基本法制定に至らず、成立は六四年までずれ込むことになる。このタイムラグが構造政策にとってきわめて大きな影響を与えたと私は思っている。
 具体的には、六二年に林野庁森林組合課が創設した「林業協業促進対策事業」が大きな転機となる。この事業は、当時不活発組合が多かった森林組合に新たな役割を担わせようとしたものである。その考え方は、①今後の林業は、生産性を上げるために機械化され、しかも社会保障も完備した通年雇用の労働者により担われるべきである、②例えば、四haの所有者が七人いる場合(合計約三〇ha)、所有林は森林組合に施業委託させることにする、③約三〇haは機械化されれば二人で管理できるので、その二人は森林組合に所属する専業的林業労働者になってほしい(他の五人は林業から離れてもらってよいとの含意がある)、④そのために、森林組合に対して国はチェーンソーや集材機といった機械装備を補助しよう、というものであった。これは、森林組合を林業請負事業体に育成しようというもので、基本問題答申の「家族経営的林業」を担い手にしようという方向の全面否定といってもよいものである。
 その後、国有林解放運動への対処もあってようやく六四年に成立した「林業基本法」では、構造政策としては、「家族経営的林業」、「森林組合」、「大山林所有者」を並列し、特定の担い手を措定することを避けたと私は解釈している(学会的には「家族経営的林業」が担い手に措定されたと評価されている)。
 立法後展開された「林業構造改善事業」は、「基本法林政」の中核をなすものだが、第一次林構の内容をみると、林道約七〇%、森林組合約二五%であり、家族経営的林業対策は微々たるものであった。具体的内容からすると、森林組合重視路線をとったとみてよい。
 六八年に創設された「森林施業計画制度」は属人型であったが、七四年には属地型の「団地共同森林施業計画制度」が増設され、その後、この方向が強く推進された。七五年以降推進された「地域林業政策」においてもその中心に森林組合が位置づけられた。
 以上みたように、日本の林政は七〇年代以降一貫して自営型の農家林業や大山林所有者を軽く扱い、森林組合への施業委託を推進して現在に至っているといえる。
 中嶋氏らの自伐林業論は、これまで国から軽視されてきた「家族経営的林業」や自営型の「大山林所有者」への再評価を強く要請するものであり、単に「森林・林業再生プラン」への根源的批判にとどまらず、五〇年に及ぶ国の「基本法林政」全体に対する根本的問題提起となっていると評価することができよう。

 ②今後の検討課題
 第一は、中嶋氏らが批判する「施業委託型」の問題点の検証である。前提となる施業集約化の実現可能性はどの程度か、高性能林業機械化のコストはどの程度か、施業の荒さはどうか、森林組合の体質の問題、等々多くの点で具体的検証が必要であろう。
 第二は、自伐林業の析出基盤の検証である。佐藤氏の分析結果はあるものの、センサス結果からすると農家林家はさらに弱まっていることは否定できないと思われる。この点のさらなる検証が必要とされている。
 第三は、そのことを前提とすると、自伐林業を再構築し、発展させる道筋をどのように設定できるのかが問題である。中嶋氏ら主張するように「少しの支援さえあれば直ぐに立ち上がる」のかどうか。山村側の析出基盤が弱体化しているとすると、新規参入者を増やすしかない。林野庁の「緑の雇用」や山村対策だけではまったく不十分である。農林水産省、総務省等も連携して、定年帰林(農)を含め、都市住民の一部を農山村へ積極的に戻す新たな総合的政策が必要とされており、そのなかに「自伐林業」が重要な「受け皿」として位置づけられることになれば、新たな展開が期待できる。一般的にいって国の動きは遅いので、農山村自治体の理解が当面のポイントだろう。
 第四は、山本氏の提起した林業が成り立つ適正な木材価格水準はどうあるべきか、についての議論である。この問題は議論しても無駄だということでこれまで聖域化されてきた感がある。現実には市場に振り回され、その落差の一部を補助金により補填され、その補助金に振り回されてきたのが日本の森林・林業である。日本の今後の長期的な森林管理とその担い手を考える上で、この木材価格問題に関する議論は避けて通れない最重要の課題のひとつであろう。
第五は、農業政策への目配りである。今後の農業政策は、「自営型」から「委託型」へ大きく転換しようとしているように思われる。このことについて、しっかりと認識しておく必要がある。
 第六は、森林に関わる人間とその組織はどうあるべきか、ということの原理的検討である。「所有」という概念の原義にまで立ち戻り、地球環境制約下において、人間は植物資源とどのように付き合っていくのか。その場合に、「自伐型」「自営型」が本来の在り方と主張できるのか、ということである。官僚組織による国有林管理の実績は、この議論にも大きな示唆を与えている。また、森林組合組織についても冷徹な議論が必要である。
第七は、用語としての「自伐林業」、「自伐林家」である。「自伐」という用語はなかなか実感的ではあるが、やはり学術面からの整理が必要である。自伐は自営と言い換えることが可能と思われる。
 また、「自伐林家」は、「林業自営林家」といえるが、中嶋氏らの「自伐林業」概念ははるかに広いようだ。氏らは常に実践の中から概念を作りだしてきており、今後、「自伐林業」概念がどこまで拡張されるのかについて、大いに注目する必要がある。

 以上、中嶋氏らの巨大な問題提起は、後の討論で提出された論点などとともに、国や地方自治体の林政担当部局だけでなく、林政学・林業経済学の研究者もしっかりと受け止めて、きちんと議論をする義務があるように思う。 
-------------引用終了-----------
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