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吉野の原木市場です。すごい杉が並んでいます。清光林業さんから出た杉だそうです。小型ユンボーと2トントラックで、こういう材が搬出され出荷されています。高性能林業機械など必要ないことを証明しています。
市場に出されていたスギは、主に4mが主でした。ヒノキは長尺もの(6~8m)も結構ありました。この年輪幅を見ていると、林業を行う覚悟と誇りを感じますね。

訪問時、岡橋会長と半日ゆっくり対話できましたが、その中でドイツ視察時に話をしてくれました。高性能林業界を使っている現場は、ほとんど暴風被害で荒れた林地を処理するために導入したとのこと。どこか荷重がかかっているかわからない風倒木処理をするのに、これらの機械が効果を発揮したとのこと。通常の永続的に林業を実施する現場ではほとんど使われていないとのことです。
また、風倒木処理で高性能機械を導入した業者で、その後使い続けた業者は、生産性を追い求め、過酷な労働が付きまとい、大きな労働問題にもなっているとのこと。やはり予想通りです。
調べてみますと、1990年と1999年に1億5千万m3もの被害木が発生し、どうもその処理用に開発されたようですね。処理後、高性能林業機械が売れなくなり、ちょうど国あげて興味を示した日本に販売攻勢をかけたようです。林野庁の「新生産システム」「森林・林業再生プラン」はその餌食になったのですね。まんまとこれにのらされた日本政府に猛省を促したいですね。そして早くこの施策を転換させないといけないですね。これまで、示してきたように森林環境破壊を起こす可能性が高く、原木市場破壊を間違いなく起こすこの施策を早く止めないといけないと強く感じますね。
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今月初めに、奈良吉野の清光林業さんを視察させてもらいました。
清光林業㈱の岡橋会長から、ゆっくりいろいろと話させてもらいました。
清光林業さんは、しっかりと自伐林業を展開されていました。所有の1900haすべてをです。直営で8人(専業)、山守さんは、なんと66人もいるそうです。山守さんは他の山林所有者の山も一緒にやっている方もおり、すべての方が清光林業の山で専業ではないとのことですが、それでもすごい数字です。1900haに、74人の雇用を産んでいることになります。さらに素晴らしい森になっています。

これが自伐林業のすごさです。長年、自伐林業を継続すると清光林業のようになるということですね。
高性能林業機械にばかり経費が掛かってしまい、山も荒らす可能性が高い、大規模集約林業を推進する国や県に、わかってもらいたいことですね。

写真は、搬出光景です。2トンのトラックで搬出しています。原木市場や製材所にこの2トントラックで運搬しています。作業道づくりや伐採木の引き寄せ、積み込みは3.5トンのユンボーで行っています。所有する1900haの山林すべてこの方式です。高性能林業機械は使っていません。いらないのです。それを清光林業さんが見事に証明しています。

それから積んでいる木の皮が剥がれていますが、杉の皮を丁寧に剥いで、販売しているのです。清光林業さんの副業です。このあたりも自伐林業の特徴です。大規模請負型の林業ではできませんね。清光林業さんには大規模山林分散型自伐林業方式のモデルになっていただきたいと思っています。
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250年の杉林の前の岡橋さんです。すごい木になっています。
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作業道づくりには徹底して丁寧に敷設しています。この場所は、地盤緩い厳しいところだそうで、蛇籠の中の石もきちんと石組みして施し、さらにその上に木組みを加えています。永続管理する山であり、その山から収入をいただくため、崩壊等おこさせないために徹底しています。このあたりが請負型の森林組合や業者との大きな違いです。同じ作業道敷設技術を持っていても、自伐か請負か、この1点の違いで大きな違いになります。
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木の皮もこうやって採取し、販売しています。
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これは仙台→伊丹便の上空から見たものです。ちょっとシャッターが遅れ全容を写せませんでしたが、福島県か栃木県だと思います。かなりの広い面積ですので、大規模に集約された間伐施業でしょう。
それにしても、大きな作業道としか言いようがありませんね。作業道面積だけで半分近くになっているのではないでしょうか。これも生産性だけを追い求め、採算を合わせる施業をやりまくった感があります。どんどん、こんな山が増え続けるでしょう。
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これは、高知県香美市あたりの大規模な間伐施業現場です。何でもあり状態であることがわかります。列状間伐、大きな作業道、山は傷だらけですね。そして極めつけが、右側にある「群状間伐」というそうです。(この現場では「皆伐」施業として実施しているとのことですが、どうもこのやり方が一部の地域では「群状間伐」として間伐化しているようです)30m~50m幅で皆伐し、その隣は全く手を入れず、その隣をまた同じ幅で皆伐していくというやり方です。このやり方で実施すると300m3/haの材収穫ができると、静岡県の業者がやりまくっています。そして大問題は、この300m3/ha収穫できるこの群状間伐が、森林・林業再生プランでは間伐補助対象となり、さらに100m3以上収穫することから最高額の補助金(60数万円/ha)が支払われるという事実です。恐ろしいですね、300m3収穫できるということは、これ皆伐です。皆伐に間伐補助金が最高額で支払われるのです。まったくよくよくもこんな裏技を開発したものですね。恐れ入ります。平気で払う林野庁も林野庁です。もっとこういう事実を表に出していかないといけないですね。
今後、業者は雪崩をうってこういうやり方に流れるのではないでしょうか。どんどん荒い施業が進展しています。この流れを止めないと大変なことになりそうです。
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