カテゴリ:森林( 939 )

最初の6枚は、ある森林組合が実施した間伐現場で、最後の2枚が2年目の自伐型林業者が実施した間伐現場です。
みなちょうど同じ年(昨年度)に実施しています。
 前者(前6枚)は、列状間伐・過間伐・谷を追っかける作業道・1回の施業時でしか使う意図のない作業道、となっています。山林の入り口には「間伐展示林」と看板がありました。
 後者(後2枚)は、初めて2年目の若者が実施した間伐現場です。持続的森林経営を実証されているベテラン自伐林家に習いながら、長期的経営視点を持っておこなった現場です。

一見しただけで、明白に後者の間伐現場がレベルが上であることがわかると思います。前者は次回皆伐するしかないような山となっており、今後風倒木や土砂流出も起こす可能性が高い山となっています。持続性ほとんどなしです。伐採業者化(委託・請負型)と高性能林業機械化がどうしてもこういうレベルにしてしまいます。今全国の森林組合等が伐採業者化しています。
林野庁の審議会等の資料を見ていると、持続的森林経営を伐採業者の企業経営と取り違えていることがわかります。先日もある自伐林家を訪問した林野庁の課長が「最近始めた自伐林家はレベルが低い」と言って帰ったそうですが、これは伐採の仕方のみを見ているのであって、林業で最も大事な間伐技術や持続的森林経営技術が見えてない人の発言です。間伐技術や経営技術は全く逆で、2年目若者が遥かに高レベルです。この事業体の方が、非常にレベルが低いと言えます。ベテラン自伐林家からすると素人状態です。持続性や環境保全性がほとんどない状況です。もう終わった山と言えます。全国で同じ現象が起き、森林組合等の事業体の間伐レベルがとても低くなっています。大規模な木質発電所によりさらに加速する恐れも高いですね。これは非常に危惧しなければならないことです。加速すれば日本林業が終わってしまう可能性も高いと言えます。固定した山を持続的に森林経営する自伐型林業者が増えなければ大変なことになりそうです。

残念ながらここに気付いている人が少なすぎます。とにかく気が付く市町村や地域住民を増やしていくしかないですね。間に合うかどうか。

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現行林業と自伐型林業の比較Part-5です。
 前回は、所有と経営の分離政策の問題点を挙げましたが、今回は施業手法です。現行林業の予定調和は「50年皆伐施業」です。約3千本を植林して、下刈りを繰り返し、20年頃除伐をおこない、30~40年目で間伐し、50年で皆伐(主伐)して、再造林するという循環です。高校の教科書でも映画「WoodJob」でもそういう説明をしていると思います。
 この手法の最大の問題点は、現行の材価では採算が合わず、成り立たないということです。山林所有者が森林組合に委託し主伐(皆伐)すると、山林所有者の収入は平均約50万円/haです。最近はさらに下がっているようです。その後、再造林すると約100万円/haかかります。早くも50万円の赤字になります。その後も下草刈りを7年程度おこなわなければならず、費用が積み上がります。再造林にかかる費用は250万円程度かかるとされています。その原資が50万円なのですから、全く話にならない状況です。とっくに破綻した手法と言えます。過去、国有林や各県の県行造林・林業公社等が大赤字になり、大山林所有者が破たんした主原因はこれです。再造林するには再造林費用を全て補助金で見てくれないとできないのです。再造林できても次に下刈り費用、シカ被害と難題続きです。つまり現状の木材価格下では、この手法は持続的(循環的)な林業はできないということです。しかし、森林・林業再生プランや現行林業政策もまだこの手法を変えていません。まだ全面的にこの手法を指示しているのですから、この学習能力のなさは極まっています。困ったものです。
 この面的な皆伐施業は、過去の経験上も林業と木材産業に大打撃を与えます。高知県東部では魚梁瀬(やなせ)杉の産地でした。吉野杉に匹敵する銘木でしたが、戦後の皆伐施業により、生産はほとんどなくなり保護地区が残るばかりです。戦後たくさん存在した林業者は全国各地へ移住し、製材業者は見る影もなく消え失せました。残った集落を襲ったのはハゲ山による土砂災害でした。これにより、山間集落は海辺の集落に集団移転し、山間地の村は消滅しました。皆伐施業がもたらした悲劇です。同じような地域が全国にも存在すると思います。今また、伐期が(50年を過ぎた)きたからと言って皆伐してしまえば、また同じことに繰り返しです。今回は再造林できない状況ですので、その地域の林業を消滅させてしまう可能性も高くなるでしょう。中山間地域の8~9割を占める山林が数十年使えなくなったその先には消滅自治体が待っていることでしょう。
 では一方の自伐型林業ではどうなるか。限られた山林から、毎年安定的な収入を得ていかなくてはいけないため、この皆伐施業はできません。択伐施業になります。択伐施業でも長期(最低100年以上で、可能であれば200年以上)を目指します。皆伐施業一辺倒の現行林業関係者は全く気付いてもないようですが、長年択伐を展開している人たちは当たり前なのですが「択伐マジック」という現象があります。自伐が採算の合う要因に低投資・低コストに加え、この択伐マジックが「儲かる」主要因となります。多間伐を7~10年ごとに繰り返し(間伐率は蓄積量の2割以下)、残った木を成長させながら面積当たりの価値を最大限に高めていく手法です。この際、多間伐を繰り返す故、本数は減っていくのですが、蓄積量は増えていきます。この増えていくことがミソなのです。これが木の生長量を利用するということです。材積が増えると同時に単価も上がるのです。たとえ単価が上がらなくても材積を増えるということは収入が増えるということです。例えば、奈良吉野の250年のスギの森では1haあたりの材積は1500m3もあります。この森は過去約20回の収入間伐おこなってきています。残った森の材積が1500m3ということです。50年生のスギだと300m3です。250年ということは50年皆伐を5回できます。5回の生産量は1500m3ということになります。吉野の残った森と同じ材積です。択伐施業では20回の間伐の生産量が50年皆伐の生産量より多いということです。おそらく3倍以上の生産量となるということです。当然、100年を超える木というのは単価も上がります。収入は10倍どころではなく、100倍に達するのでは思います。吉野では120年を超えると2割間伐の収入が、50年皆伐収入である約300万円を超えるようです。120年以降の間伐は常にこういう状況になるのです。実際に今年、100年生の山を2ha間伐(2割間伐)した人は約400万円の収入になっています。
 故に50年皆伐というのは、最も儲からない林業と言うことです。本当の木の生長は75年を過ぎてからだと植物学者が言っていたのを思い出します。木が幼少の時に伐ってしまっては、もったいないの一言です。択伐施業では収入が安定してくるのが80年を超えてからと経験者はよく言われます。50年皆伐はその前に伐ってしまうということですので儲からなくなるということです。自伐はこのようにして少ない面積で森の価値を上げながら収入を得、さらに次世代に引き継いでいくのです。80年以上の山を引き継がせてもらった若者たちは皆、喜んで林業をおこなっています。当然のことです。こういう森を創ることが後継者を残す最大の手法と言えます。

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現行林業と自伐型林業の比較Part-4です。
 現行林業(委託・請負型)の林業経営の方向性は「所有と経営の分離」が基本です。行政は所有と経営の分離政策と言っているようです。この理論は本来、企業における株主と経営の分離です。これを強引に林業に持ち込み、山林所有者を経営から分離させることが正しいかどうかということです。山林所有者=投資家と言うことなのでしょうか。
 それはともかく、分離された状態で山林所有者が毎年林業により収入を得ようとすると、古い林業家からはよく聞きましたが毎年約20ha程度皆伐を委託し実施するという手法となります。現在だと約50万円が山林所有者の収入となるため年間1千万円の収入となります。経費も多少かかるでしょうからこの程度は必要となるでしょう。そうすると50年で回すとすると1千ha以上所有していないとできません。以前はよく「千ha以下の所有者は林業経営者にあらず」と言われたのはこのことですね。森林・林業再生プランの集約化の議論でも常に千ha以上必要とよく言っていましたね。つまり千ha以下の所有者は毎年一定以上の収入を得ることは厳しくなります。100ha以下や数haとなると、数十年に1回の収入となります。小さければ小さいほど不利になります。故にこの所有と経営が分離された林業の世界では、小さい山林所有者ほど意欲が無くなってくることは必然です。林業白書では常に「小規模山林所有者に意欲がない」と批判していますが、日本の大半を占める小規模山林所有者の極端な意識低下は林業政策がそうさせていることを知るべきです。
 次に森林経営についてですが、山林所有者は経営から分離され実質的森林経営を放棄していますが、では請負事業体が森林経営しているかと言うことです。現状、森林組合や素材生産業者が何を請負、何を実施しているかと言うと伐採と搬出です。つまり素材生産です。素材生産業の企業経営をおこなっているということです。これは森林経営ではありません。森林組合が管轄するエリアの森林は広大です。素材生産業者は広域に山を転々とします。これで森林単位の森林経営など不可能です。全国で森林組合がきちんとした森林経営をおこなっている事例など見たことありません。山林所有者も請負う事業体も森林経営をおこなっていないということは、日本から森林経営が消滅したということです。正直、きちんとした森林経営を実施している人は、私の目から見て自伐林家の一部に残っているのみです。この森林経営の消滅はこの所有と経営の分離政策の最大の問題点です。さらに残念なのは行政や林業関係者が、素材生産業の企業経営を森林経営だと勘違いしている点です。林業界のほとんどの人がそう捉えているとしか思えません。これも大問題です。この程度のことがわからないとなると林業学が劣化しているとしか言えません。
 故に所有と経営の分離政策は、日本林業の根幹を揺るがす問題点を孕んでいます。衰退産業化、「林業は儲からない」の根本問題は「所有と経営の分離」が引き起こしているのです。この手法を何と日本林業は半世紀も継続しているのです。皆おかしくなっているとしか言えませんね。
 1人の森林経営者が森林の情報や地形を熟知して持続的森林経営を実施する場合、適切な面積は30~200haだと考えています。日本において本当のプロと言える森林経営者は100ha前後を所有し、きちんと自伐している一部の林家や自伐化した大山林所有者にのみ本格的で持続可能な森林経営が残っています。所有と経営を分離した手法が大前提の現行制度のフォレスターや森林施業プランナーなど、この自伐林家たちからすると全くのど素人といえるでしょう。

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富士の後は栃木県のゴルフ場に行ってきました。
ゴルフをしに行っていたわけではありませんが、久しぶりにやりたくなりましたね。
このゴルフ場、薪ボイラー(ガシファイアー)を導入して、ゴルフ場からで出る原木を燃料として、約1千万円の燃料代を削減しています。純利益1千万円を稼ぎ出したと同じ効果です。
実はそれだけでなく、私が今回訪問したのでそれに加え、ゴルフ場林業の可能性を探るためです。十分可能であることが確認できました。
これはゴルフ場だけでなくスキー場でも可能です。観光地の旅館でも可能なのです。全く新たな林業スタイルです。ゴルフ場経営の経費削減だけでなく、さらに付加価値化できるおもしろい展開ができそうです。具体的設計はこれからですが、可能性十分ありですね。自伐型林業の凄いところはこのように新たな展開を創出できる幅の広さ、懐の広さがあるという点です。
森林組合等の専業型の現行林業では全く想像すらできない展開でしょうね。
このゴルフ場内では農場も展開されており、直販やレストランにて使われていました。このあたりもこのゴルフ場のセンスの良さですね。
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鳥海山から富士山に変わりました。午後から快晴です。
富士山周辺でも自伐の動きが活発化しそうな気配です。この地域の特徴は、山林が大きいことです。
大規模山林分散型の自伐展開ができるよう支援していきたいですね。
山梨県ではまだ本格的な展開されていませんので、富士吉田市の方々に期待したいですね。
自衛隊の演習林管理していることや、地方創生の取り組みとして展開したいとの希望もあり、石破大臣と中谷大臣よりメッセージも届いておりました。
富士吉田周辺だけでなく三島市周辺や熱海市でも検討中です。
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由利本荘市にて昨年度から自伐展開を小さく始めた、地域住民グループを中心に集中研修をおこなってきました。
最後の2日間は快晴、岡橋さんによる作業道研修と経営相談もおこないました。
今回の研修中(1日半)に敷設した延長は、約40m、支障木15本(約3mに1本ほど)です。
50年生の杉林で、このあたりの山林としては一般的な山です。
50年生なので1本あたりの材積は約0.3m3です。
今回の作業を2人で2日でおこなったとすると
 ・敷設延長:40m
 ・搬出材積:4.5m3(3m3が近くの合板工場:約15㎞、
       発電所へ1・5m3:約1トン)
この作業の売上がどうなるか
作業道補助金が2千円/mだと、作業道補助金が8万円+合板工場3万円(m3:1万円)+6千円(トン:6千円)=11万6千円となる
経費はユンボーの2日間のリース料+回送費:2万5千円+2トンユニック車借り賃:5千円+ユンボ・林内作業車・トラック燃料:軽油30㍑:4千円=3万4千円
2人分の日当=11万5千円ー3万4千円=8万1千円(1人約4万円)
となります。
どうしてこういう計算をしたかと言うと、ちょうどこの2日間の研修内容が自伐型林業者にとってとても一般的な頻繁に行う作業であるからです。立地が悪くて延長が半分になっても、2万円近くは何とか確保できるということです。
間伐をこれから始める山林は、この繰り返しで、作業道が一定入れば2割程度の間伐の実施です。30mピッチで入っていれば林内作業車で簡単に搬出できますね。高コストな高性能林業機械など全く必ありません、これが本当の低コスト林業です。伐開幅が小さいですので風も入りません、雪にも耐えられるでしょう。2割間伐(材積ベース)ですので10年以内にまた次の間伐ができます。その際総材積は今回より増えているので同じ2割間伐でも材収入がアップします。これが持続的林業の基本です。
変な巧妙な補助金など本来必要ありません、重要なのは長年継続して利用するための作業道敷設補助金です。それも高額は必要としません。国と県と市町村で合計2千円程度でよいのです。そうすると山林所有者や地域住民等が一気に参入できるのです。
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現行林業と自伐型林業の違いのパート2です。

 今回から各論的に比較してみたいと思います。
 自伐型林業の定義は、限られた森林を離れず(山守型)、自ら持続的・永続的に管理・施業しながら、持続的に収入を(毎年)得ていく自立・自営の林業です。この際の山林は、自己所有(純粋な自伐林業)であることに越したことはありませんが、契約であってもこの定義が守られていれば自伐型と言えます。
 自伐型の特徴は、山が限られ、その山林で持続的に経営していかなければならないため、管理する山林に常に出荷できる原木がなければいけません。収入を上げていこうとすれば、その山林の木材の価値(単価)を上げるか、管理森林を多目的に活用し、木材生産以外の生産活動(森業・山業的な副業)を付加するしかありません。故に良好な森林の維持が絶対条件になります。これは良好な森の維持と収入をあげる施業とを両立させる、非常に優れた環境保全型林業と言えます。1回の施業の採算性より、長期的な森林経営とその採算性を優先させ、面積当たりの森林の価値を最大限に上げていくことによる持続的な安定性を求めます。つまり価値創造型林業で農耕型林業だと言えます。故に林業用語で言うと「長伐期択伐施業」化していきます。

 一方、現行林業の特徴を簡単に言うと、所有と経営を分離させ、山林を集約し、高性能林業機械を導入した請負事業体の施業を大規模化させた生産性と生産量を追求する大規模な林業と言えます。また施業単位に採算を合わせ、終了すれば次の山と、山を転々と渡り歩く狩猟型林業と言えます。1回の施業にて大量の材を出荷し、合板や集成材工場に安定供給することを主眼に置いているので、皆伐施業が主となります。故に、皆伐を短い期間で回すことが優先され、現行林業の予定調和は50年皆伐となっています。つまり「短伐期皆伐施業」ということです。

 このように、自伐型と委託型は真逆の手法なのです。全く違う手法なので、きちんと分類されなければいけませんし、どちらでもよいというものではありません。正直分水嶺の如く違っており、どちらを選ぶかにより全く違う森にもなるし、森の見方・接し方・経営手法・使用機械・作業道路線と敷設手法・収入・支出構造に至るまで全く違うものになります。ひいては日本林業が全く違うものになるということです。これまで林学ではこの最重要部がまったく抜け落ちていたと言えます。これまでの分類は、森林組合か業者か個人かという担い手を分類し、つまらない差別や競争を引き起こしてきた感があります。担い手を分類して競合させるのではなく、手法を分類し、担い手に選ばせることが重要であると思います。

 次回は現行林業の問題点について述べ、その後自伐型林業がその問題点を解決できるかという感じで進めていきたいと思います。


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これまで林野庁主導で長年展開されてきた現行林業と自伐型林業の違いをよくわからずに、批判であったり、どちらが展開されてもいいのだというような意見が多いようなので、何回かにわたって現行林業と自伐型林業がどう違うか説明したいと思います。私たちは現行林業に問題点が多く、国土の7割を森林が占めながら衰退産業の代名詞のようになり下がり、「林業は儲からない」が一般化して高額補助金がないと話にならい状況になってしまっていることを憂慮して、ここから脱するために自伐型林業を提案しているわけで、どちらでもよいというものではありません。結果的に双方が存在するのは仕方ないのですが、どちらが優れた手法であるかはわからなくてはいけません。(この場は論争する場ではありませんので、こういう風に考えているということを知ってもらえればと思います)
 「林業は儲からない」は、山林所有者が儲からないからが第1原因です。日本一の大山林所有者は国有林です。国有林は約3兆円の大赤字を積み上げ、数年前特別会計から一般会計に移行されました。次に各県が民有林を集めて行った県営の公社等による造林(分収造林)も大赤字、国と同じく約3兆円あると言われています。破綻した公社も多く、残っているところも不良債権の森と化しボロボロです。次に民間の企業や個人の大山林所有者たちの山林経営も大赤字となっています。特に個人の大山林所有者は破産したところも多く聞きます。すべてで10兆円近くになるのではないでしょうか。これらのほとんどが、植樹~下刈り~枝打ち~除伐~間伐~主伐をすべて作業委託する形で展開したものばかりです。分収造林では主伐した収益で、それまでの借り入れをすべて返済し、さらに残る利益を山林所有者と分収する予定が、過去借りた金額のほとんどを払えないという状況になり、貸した金融機関は完全に不良債権化しています。これはすべての作業を委託する手法(所有と経営の分離政策)は現行木材価格では全く成り立たない証拠ですが、日本林業はまだこの全面委託型(所有と経営の分離)を変えようとしていません。森林・林業再生プランもこれが大前提です。
 また現在何とか残っている請負事業体である森林組合と素材業者は、この山林所有者が赤字覚悟で委託してくれたのに加え、さらに国と県による補助金が年間数千億受け取ることができるから何とか生き残っていると言えます。これが委託・請負型の現行林業の実態です。ほとんど成り立っている産業とは言えないのではないでしょうか。この一事を見ても日本林業は根本療法が必要と言えます。しかし、出される政策は対症療法ばかりと言えるでしょう。先の森林・林業再生プランも、根本療法に踏み切るかと思いきやそうではなく、小規模な間伐実施者の補助金をカットし、経営計画を立てられる規模(100ha程度以上の集約化か個人所有)の事業体だけに絞り込み、この事業体への補助金を2~5倍に増額するという補助金倍増プランという、まさに対症療法そのものと言えるでしょう。本来、儲からない主原因を見極め、そこを根本から変える政策、誘導する政策を実施しなければいけないと思います。

 今回は林業全体の概況でしたが、次回からは委託型林業と自伐型林業の特徴と違い、その後比較をしたいと思います。何回かに分けて出していきます。


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自伐型林業を全国普及していく際の本丸は農家だと感じている。中山間地域の農家は条件不利地から農業だけでは生計が立てられない状況。ゆえに農業を継がない、後継者が育たないという状況。農業1本で行こうとするからこういう状況になるのだが、よく見ると農地の周りは山ばかり、この未利用の山で自伐を兼業すれば十分に生業化することができる。後継者どころか移住者まで受け入れられる状況となるのである。それだけ多くの面積があるということであるが、中山間地域の住民や自治体までもが忘れているのである。
 そんな中、日本農業新聞が先日記事にしてくれています。日本農業新聞や農文協等がこの気付きを広めてほしいですね。農地の周りの広大な山林を地域に取り戻すことです。
中山間地域農業の再生でまずしなくてはいけないことは、農業の大規模化や高付加価値化ではなく、自伐型林業の兼業です。これで生業の安定化を図った後、高付加価値化や6次産業化といかなくてはいけないですね。現状は順番を間違っています。これが問題です。地域再生系の人達はこれがわかってないようです。


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10月31日に、高知県小規模林業推進協議会が佐川町役場と谷岡山でおこないました。
佐川町大会議室が一杯になるほど盛況でした。
支援メニューの紹介や来年度予算案等の説明の後は、マイクロバス3台分の人数で谷岡君の山の視察です。
こういうやり方をすれば十分収入になり、持続的森林経営ができるという事例を見てもらいました。
県会議員の方も3人来られておりました。現場を見て納得したことと思います。
会員も260人を超え300人に迫っています。山ばかりの高知県ですので興味を示す方々が急増しております。どんどん発展させていきたいですね。
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