国産材利用=林業の再生?

よく「日本には森林をたくさん保有しながら輸入材に依存している。輸入材を減らし、国産材需要を高めれば日本の林業は再生する」という内容のことを、いやというほど聞いてきた。
現在中国等の需要により、外材が入りづらくなり国産材利用がかなり進んできた。それでは日本の林業は再生してきているのであろうか。どうもその逆である。

ヒノキの原木市場価格は外材中心の頃、25000円~30000円/m3(3m材:14cm~22cm)
していたものが国産材利用に変わってきてどうなったか、15000円~18000円/m3
と大きく下がっているのである。四国はヒノキの生産が多く、ヒノキの価格変動は四国の林業経営にとって大きく左右される。これはほんとに四国の林業危機である。

それともう一つ重要な問題が起こりつつある。「禿げ山が増えている」ことである。皆伐して再植林せずに放置するという山が急増している。これはその山の林業が終息したことを意味し、さらに禿げ山が急速に増えると土砂流出、山腹崩壊、沢抜けが頻発し国土破壊、災害急増につながる。
せっかく国産材利用が増えてきたのにどうして?だろうか。

この背景には、集成材・合板の急速な普及にある。
集成材・合板に使われる木は、小径木、曲がり材が中心に使われる。放置して手入れも入ってない山の木で十分なのである。これができあがると、どう使われるか。住宅の柱や構造材に使われるのである。要するにヒノキの柱に取って代わっているのである。
言い換えると、スギやヒノキの小径木(手入れされてないざっとした木)がヒノキの中・大径木(手入れされた良木)に取って代わってきているのである。故にヒノキの原木価格が急落しているのである。

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行政も新生産システムなどでこれを推進している。
その結果どうなっているのかもっと真剣に考えてほしいものです。
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写真のように上流の山側では小径木のざっとした材が、下流へ行くと「スーパー檜」になってしまうのである。上流の山側の利益を、中流の集成材工場が根こそぎ奪い取ってしまっているのである。こんなシステムを推し進めることはいかがなものか。


集成材・合板の製材所が引き取る価格は6000円~8000円/m3程度と聞く。
外材中心の頃は、杉10000円/m3前後、檜25000円/m3前後であったが、
現在は先に述べたように、杉10000円/m3前後、檜15000円/m3前後となっているのである。

また問題はこの集成材・合板の製材所は大手が参入し、一箇所で大量に処理するということを始めている。一箇所で大量の処理する。これは大問題を起こすのである。
10万m3/年とか、15万/m3とかである。月当たりに換算しても1万m3を超える量である。間伐による搬出量や素材生産者がどれくらいあるかにより、決めなくてはいけないのに、製材業者の生産性・効率のみで生産量を決め山側に押しつけるとどうなるか。
その量を確保するために山を買いたたき、皆伐して全木、集成材・合板業者へ売り払うと言うことになるのである。これでも足りないので、失業対策と称して労働行政までもがこれを後押しする。
8000円/m3程度で買われた山主は当然ながら再造林の費用など見込めず放置されるという構図である。
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最悪である。せっかく国産材に目が向いてきたのに、国産材を安くたたき売るとは。
林業にとって最悪のシナリオのように写る。
最終利用者の個人・企業、建設者のハウスメーカー等には、山を守るために 無垢の檜材を使った家もきちんと市場として残してほしいものだ。

高知県はこのあたりがわかった上で、政策を進めないといけないはずです。このままでは高知の林業は終わってしまいそうです。
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by ken_nakaji | 2008-09-05 07:22 | 森林 | Comments(0)
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