森林の多面的機能の根幹「土壌」

先日、京都大学フィールド科学教育研究センターの竹内教授の講演を聴く機会を得た。その中で基本的なことだがとても重要な話をされていました。「森林の多面的な機能はよく8つに分類され並列的に語られることが多い。しかしこれは間違いで順序・循環がある。水の保全は土壌の保全が良好な場合に十分発揮され、生物多様性は土壌と水が確保された場合に発揮される機能であろう。また、快適環境の形成、保健・リクリエーション、文化や生物生産は、生物多様性を大きく攪乱しない範囲において教授すべきであろう。これらのことが健全に守られて地球環境保全につながる」とのこと。故に根幹は「土壌」なのです。
手入れの遅れた人工林ではこの重要な土壌が雨滴・表層侵食等によりどんどん流出してしまっています。土壌が流出したところでは栄養分もなくなり木も大きくなりません。それどころか皆伐した後でも土壌がないためすぐには林へかえりません。故に人工林においては広葉樹等の下層木がとても重要なのです。下層木が葉を落とし腐葉土をつくっていく、腐葉土が水を守り生態系を育む、この水や栄養分を杉檜が吸収する。という循環が大事なのですね。
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下から、岩、元々の土壌、腐葉土、下層木、高層木。こういう階層を守らんといかんですね。
しかし、この写真を見て気になることがあります。下に出ている岩を包み込むような根っこがまったく見られないことです。災害が起きない自然林の山ではケヤキ等が地中深く根を張っているのでしょうが、人工林でそういう光景はなかなか見られませんね。深く根を張る雑木との共生林が次の課題でしょうか。
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by ken_nakaji | 2006-08-28 18:30 | 森林 | Comments(0)
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