現行林業と自伐型林業の違いPart-2

現行林業と自伐型林業の違いのパート2です。

 今回から各論的に比較してみたいと思います。
 自伐型林業の定義は、限られた森林を離れず(山守型)、自ら持続的・永続的に管理・施業しながら、持続的に収入を(毎年)得ていく自立・自営の林業です。この際の山林は、自己所有(純粋な自伐林業)であることに越したことはありませんが、契約であってもこの定義が守られていれば自伐型と言えます。
 自伐型の特徴は、山が限られ、その山林で持続的に経営していかなければならないため、管理する山林に常に出荷できる原木がなければいけません。収入を上げていこうとすれば、その山林の木材の価値(単価)を上げるか、管理森林を多目的に活用し、木材生産以外の生産活動(森業・山業的な副業)を付加するしかありません。故に良好な森林の維持が絶対条件になります。これは良好な森の維持と収入をあげる施業とを両立させる、非常に優れた環境保全型林業と言えます。1回の施業の採算性より、長期的な森林経営とその採算性を優先させ、面積当たりの森林の価値を最大限に上げていくことによる持続的な安定性を求めます。つまり価値創造型林業で農耕型林業だと言えます。故に林業用語で言うと「長伐期択伐施業」化していきます。

 一方、現行林業の特徴を簡単に言うと、所有と経営を分離させ、山林を集約し、高性能林業機械を導入した請負事業体の施業を大規模化させた生産性と生産量を追求する大規模な林業と言えます。また施業単位に採算を合わせ、終了すれば次の山と、山を転々と渡り歩く狩猟型林業と言えます。1回の施業にて大量の材を出荷し、合板や集成材工場に安定供給することを主眼に置いているので、皆伐施業が主となります。故に、皆伐を短い期間で回すことが優先され、現行林業の予定調和は50年皆伐となっています。つまり「短伐期皆伐施業」ということです。

 このように、自伐型と委託型は真逆の手法なのです。全く違う手法なので、きちんと分類されなければいけませんし、どちらでもよいというものではありません。正直分水嶺の如く違っており、どちらを選ぶかにより全く違う森にもなるし、森の見方・接し方・経営手法・使用機械・作業道路線と敷設手法・収入・支出構造に至るまで全く違うものになります。ひいては日本林業が全く違うものになるということです。これまで林学ではこの最重要部がまったく抜け落ちていたと言えます。これまでの分類は、森林組合か業者か個人かという担い手を分類し、つまらない差別や競争を引き起こしてきた感があります。担い手を分類して競合させるのではなく、手法を分類し、担い手に選ばせることが重要であると思います。

 次回は現行林業の問題点について述べ、その後自伐型林業がその問題点を解決できるかという感じで進めていきたいと思います。


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by ken_nakaji | 2015-11-13 12:32 | 森林 | Comments(0)
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