山林所有者や地域と、行政の感覚のズレ

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先日の佐川町での、地域住民を対象とした自伐林業勉強会(夜7時から開催)ですが、佐川町役場の職員の方々は、席を25席用意し、配布資料を少し多めの30部用意しておりました。町長も何とか50人ぐらい集まってくれるとありがたい、と予想しておりました。

しかし、15分前からどんどん集まり始め、すぐに席が足らなくなり、席をつくる、配布資料のコピーに走ると、大わらわで開始が少し遅れました。最終80人を超える若者から年寄りまで、たくさんの方が参集し、眠ることなく真剣に聞いてくれ、終了後に質問攻めにあうという盛り上がり方でした。
佐川町役場職員対象の勉強会は既におこなっており、自伐林業推進は腹に落ちておりましたが、「地域住民はすぐに林業に興味など持つはずがない。ちょっと時間はかかるだろう」と思っていたようです。故に、この地域住民がかなり興味を持っていることに、大いに驚いたようです。町長も驚きを隠せませんでした。

これどういうことかわかりますでしょうか。実は山林所有者や地域は「森林を何とかしたい。何とか活用したい。できるならば自分で実施したい」と思っているのですが、行政側はまったくそのことに気付いてないのです。
8年前の仁淀川町でのアンケートも全く同じでしたが、当時仁淀川町、高知県、林野庁とも「そんなことがあるか、地域や山林所有者に林業ができるか」と無視されました。先に民主党政権下では国あげて「山林所有者や地域は、森林・林業に関心を失い、実施能力がない」と決めつけ、自伐林業志向者を政策の対象外に置いてしまいました。
10年前の高知県や、現在でも他県に行くと、私の話を聞いたり打ち合わせしたりして林業やる気になり、県の出先事務所や、自治体担当課、森林組合に相談に行くと、決まってこう言われます「何バカなことを考えているのです。個人や山林所有者に林業をおこなうのは無理です。あきらめて森林組合に頼みなさい」と。ここに林業を衰退させてきた大きな要因があるのです。

仁淀川町では、アンケートにて6割の山林所有者が「自分でやってみたい」と意思表明し、行政に無視される中支援すると、160人が材の出荷をおこない収入を得、約50人が建築用材の出荷も始め、自伐林業を副業以上で実施し始め、10人を超えるUIターン者も生まれ、専業で自伐林業に取り組む人が急増しました。その結果、この地域の森林組合の素材生産量の2倍上を生産し始めたのです。要するに森林組合を2つ新たにつくったに等しい実績を上げました。

こういう結果を生むスタートラインは行政が、「地域住民や山林所有者は森林・林業に興味があり、地域林業の担い手になる」ということを再認識することです。このミスマッチを解消した地域は、林業による就業を拡大でき、さらにIUターン者や移住の受け皿になれるのです。
我々もここを、きちんと訴えていきたいですね。
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by ken_nakaji | 2014-01-24 20:41 | 森林 | Comments(0)
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