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季刊地域―新春号

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本日、農文協の季刊地域が届きました。
今回は「薪」特集なのですね。
関わりの深い人々や地域が登場しておりました。

遠野エコネットの伊勢崎君や千葉さん。東北被災前からの付き合いで、被災地支援の元になってくれた方々です。「薪の駅」動いているようですね。馬搬の岩間君も時々吉里吉里に搬出に来てくれているようです。

鮫川村さぎりの湯は、最初はあるコンサル会社の指導でチップボイラーを導入使用していたのですが、「薪ボイラーにした方が今後のため」という私の助言を聞き入れてくれて薪ボイラー導入に至りました。さぎり荘の「薪女」も健在なようで何よりです。

道志村も鮫川村同様、コンサルの指導でチップボイラーが計画されていたのを、私がひっくり返したところです。5台の薪ボイラーが着実に動き、地域システムも徐々に形になってきているようで安心しました。

土佐の森の薪利用システムも紹介されています。前理事長の松本さんの精悍な写真が印象的です。薪ボイラーのガシファイアーも紹介されています。どんどん広がってほしいですね。

土佐の森はかつて、ガス化発電、原木からのペレット製造と、やってはならないことをやってしまい、その経験及び反省から薪利用に至っています。まだまだ全国では、この間違った原木からのペレット製造などが横行しています。原木からのペレット製造では山への還元と、最終利用者への還元ができないばかりか、その両方に負担を強いります。この情報は既に全国に出ていますが、それを検索せずに安易に導入してしまっています。少し過激な表現ですが木質バイオマス利用が正常化してほしいのであえて言いますが、これは木質バイオマス利用における邪道です。双方に負担を強いるのをわかっていながら導入させようとする企業がおりますが、これは自らの利益のみを追求する外道です。邪道にならないよう指導し、外道を排除することが重要ですが、なかなか進みませんでしたが、こういうマスコミの報道でちょっとでも是正されればいいですね。

さらに、薪ボイラー導入がどれだけ地域に貢献するか、そのモデル事例をつくるべく奔走しております。阿智村などがそのモデルになるかもしれません。
季刊地域では薪購入価格が0~14円/kgと紹介されていましたが、薪ボイラーシステムでは11円/kgあたりが妥当ではないかと考えています。薪ボイラー利用者はこれで、燃料代が化石燃料使用時の半分~1/3になります。薪投入は人手になりますが、温泉施設などでは既存人員でまかなえることがほとんどです。年間1300万円の灯油代がかかっていた温泉が、薪ボイラー導入で400万円程度に削減できている事例も出てきました。また薪生産者は11000円/トンの収入になります。杉の建築用材出荷に近い収入になります。加工費がいらないため、こういう素晴らしい現実が待っているのです。ペレットやチップは加工に費用がかさむため、加工業者だけの仕組みになります。こういう収入が得られるようになれば自伐林業もどんどんなり手が出てくるということですね。
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by ken_nakaji | 2012-12-25 22:45 | 森林
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