「土佐の森方式」による林業従事者45万人の可能性

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■「C材で晩酌を」の全国への広がりと、「45万人」の見通し
1.土佐の森方式(C材で晩酌を!、自伐林業方式)の特徴
・林地残材や切り捨て間伐材を燃料利用する収集運搬業に必要なものは、軽トラとチェーンソーぐらい。要するに副業として簡単に参入できることが最大の特徴。集約林業は高性能機械必須、専業雇用必須等参入には極めてハードルが高い。
・気軽に参入し、徐々にステップアップできる。3年前のシステム稼働時は5~6人だった自伐林業家が現在では50人ほどに増加している。この中には一気にステップアップして専業林家化した方も5組ほど出現してきている。
・搬出者を限定せずに誰でも参画できるオープンシステムになっている。また原木であれば種も量も限定していない。全量買い取る仕組みとなっている。
・システムは環境支払いとしての地域通貨券を導入しているが、いたってシンプルで特殊性を極力排除し、真似しやすいモデルに仕上げている。
・自伐林家の大事な特徴に「良い森」「良い材」を造り上げるということが挙げられる。自分の山であるため愛情がこもり、さらに頻繁に山には入り手入れし、常にその山を見続けるため学習機能が発揮されるためと考えられる。またその山から毎年継続して収入を得ないといけないため自然に長伐期施業化し、銘木を生産し始めるのである。こうした山は土砂災害防止に強く、生態系維持にも優れ、水源涵養にも貢献する人工林をつくるのである。要するに公益的機能を十分に発揮する森を造ってくるのである。他人の山を、しかも20年に1回程度しか入らない集約林業には、どう逆立ちしてもこういう森づくりはできないのである。
2.林業雇用45万人の見通し
・林地残材の収集運搬としては全国初の成功事例化し、徹底した地域ぐるみの仕組みとなっているため、農山村振興、木質バイオマス推進としてモデル的に扱われ始め、全国各地にて導入の動きか活発化してきている。
・忠実に土佐の森方式を導入した、岐阜県恵那市中野方地区では初年度12名が参入し、2年目の現在38名までに増加している。本格的な林業を始めた方も数名出始めている。また鳥取県智頭町では初年度から40名が参加し、一気に拡大しようとしている。どの地区も当地区(高知県仁淀川町)と同じように、軽めの林業(林地残材の収集運搬)から参入し徐々にステップアップしていく構図は全く同じである。その数は3年しない間に、1桁違う数(10倍)になっているのである。仁淀川町では数十名になった自伐林家の素材生産量(材の搬出量)は年間1万m3を超え、間伐材出荷では集約林業を実施する森林組合と林業業者を遙かに超え(2倍以上)、地域林業の主役に躍り出ているのである。「自伐林家は林業主流には成り得ない」という専門家がほとんどだが、その意見を簡単に覆してしまったのである。
・現在、仁淀川町、恵那市、智頭町の成功事例化に伴い、全国30箇所を超える地区が導入及び導入準備に入っている。こういう小規模分散型のシンプルな仕組みは、成功すると倍々ゲームで広がる特徴がある。現在の30箇所が順調に進めば、数年後に昭和30年代に存在した林業従事者45万人の復活が本当に見えてくるのである。
・ドイツ林業の情報を確認してみると、この自伐林業方式を実施しており、45万の林業事業体が存在し、100万人の林業従事者が存在する。45万事業体のほとんどが個人事業体(自伐林家)で、この自伐林家の6割以上が農家の副(複)業でおこなっている。この副(複)業型林家の兼業種は農家民宿や酪農が多いという。
・日本でもこの方式(土佐の森方式)が主流になれば林業従事者100万人も夢ではなく、かなりの現地味が出てくるのである。民主党政権は集約林業でドイツと同じ100万人雇用を目指すと言っているが、先にも述べたように集約林業では全くの「夢のまた夢」なのである。これからは自伐林業、自伐林家的林業、自伐林家的森業へ舵を切らなければならないのである。
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by ken_nakaji | 2011-01-18 00:02 | 森林 | Comments(2)
Commented at 2011-01-18 21:24
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ken_nakaji at 2011-01-20 22:03
oku3so16さん。コメントありがとうございます。
休日自伐林家、素晴らしいですね。真庭は林業やるのに恵まれたところですね。自伐林家が林業の主役になった地域が、林業再生できると思いますので頑張ってください。
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