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木質バイオマス利用の問題点

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NEDO事業で実施してきた仁淀川町の木質バイオマス利用システム、実際に運営してみると、大問題がいくつも見えてきました。信号に習って色分けしてみました。成功したのは青の林地残材の収集運搬システム、今後ももっと拡大していきたいですね。しかし、そのあとの利用方法については、黄色と赤です。特にバイオマスのガス化発電はレッドカード状態です。まだ開発途上、営業開始できるような状況ではありませんでした。製品にあった使い方をしなければならないのですが、あまりに理想を追いかけすぎて、高度な利用を目指しすぎて、逆に全く利用できないという状況に陥ってしまいました。はてさてこれを今後どうするか悩みが深いですね。原木からのペレット化というのもイエローカード状態です。ペレット市場というのは製材端材やおがくず、産廃木という原料が無料であったり、乾いている原料から造られているものが主流です。原木を買い、チップにし、乾かし、固めるという行為をする上に、原木の水分率を一定に保つというのは至難の業という状況で、このペレット市場で生き残るというのも至難の業なのです。
3ヶ月間でわかってきたことは、あまりにも高投資、高性能、高付加価値へ行き過ぎたということです。そのために、高専門性、高人件費、高経費、採算悪化という悪循環に陥っているという現状です。では今後どうするか、木質バイオマス利用は後退させたくない。レッド状態はとにかく停止し、他の利用方法があるか検討し、ない場合は早急に処分する。イエローは継続し、経費削減及び付加価値を探す。そして新たな低コストな利用を開拓する。そこで考えたのが以下のような仕組み。
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シンプルisベスト、薪利用です。先日、県のバイオマス推進委員会で薪利用によるバイオマス利用を訴えたら、若い委員に鼻で笑われてしまいました。まだ彼らは高投資、高性能に酔っているようです。まあそいうのは横に置いて置いて、地道に薪利用を進めていかないと、仁淀川町のバイオマスシステムはつぶれてしまいますね。この1年が勝負です。最近はこのあたりのことばかり対応していて、ブログを更新することもなかなかできませんでした。
by ken_nakaji | 2010-07-18 08:24 | 森林
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