角材1m3当たりの価格構成の推移(林業・木材業界の本当の姿)

e0002820_21423438.jpg
これは先日真庭へ行った際、真庭森林組合長が使っていた表です。林野庁の方がつくったもののようです。リーマンショック以降のデータは入っていませんが、ここ20年の推移がよくわかります。(表をクリックすれば大きくなります)

棒グラフはスギ正角材1m3当たりの価格です。青い色のところは製材業者が取り分です。黄色のところが森林組合等の素材生産業者です。赤が立木(山林所有者)です。正角材価格は下がってきているのですが、製材業者の取り分はむしろ増えています。真ん中の素材業者はほぼ横ばいです。一番下の山林所有者の取り分は凄まじい勢いで下落しています。リーマンショック以降はほとんどゼロ、或いはマイナスという状況ではないでしょうか。木材業界は立木価格(山林所有者)を犠牲にして生き残っていると言えるのではないでしょうか。
どうしてこうなったかですが、製材業者は最近は合板、集成材の大規模な企業型になっています。故に権力というか力が付いて価格決定権を持っているのでしょう。故に不況産業といえども獲り幅を増やしています。真ん中は森林組合等ですのでこちらも力はあります。この材価が下落し「儲からん儲からん」と言っているのですが何と20年前から取り分はあまり変化していません。急降下しているのは山林所有者の取り分だったのです。実際がよくわかりますね。一番弱いのは山林所有者ということです。ここはほとんど個人が多いため、企業が生き残るために犠牲にさせられているのですね。この表、木材産業の実態がよくわかります。

よく考えてみれば、
「新生産システム」は大規模な合板・集成材の製材業者に都合のいい仕組みです。
「大規模集約林業」は森林組合のための(強化する)仕組みです。
先の表の材価は下がっているが、取り分が減ってない業界のための事業です。これはおかしいですね。一番ダメージを受けているところをサポートする、助ける事業を展開すべきなはずですが。
これらの仕組み、きれいなことを書いているのですが、意地悪く言うと、これらのシステムの奥底はいかにして山林所有者から利益を収奪するか仕組んだシステムと言えるのではないでしょうか。ダメージ受けているところはどうしようもないから徹底的に潰せということでしょうか。ひどい話しです。

山林所有者が取り分を増やすには、黄色の部分に食い込んでいくしかないのです。これができるのが「自伐林家」なのです。山林所有者が林業を成り立たせるには自伐林家化しかないとも言えるのではないでしょうか。

この自伐林家への支援はこれまで、林野庁、県、市町村の行政支援は全くありませんでした。故に我々が今おこなっている「副業型自伐林家養成塾」は極めて希な事業なのです。これまでなかった支援を始めたのです。これをバックアップしてくれている高知県も希な存在ですね。尾崎知事の英断に感謝します。
「集落営林型」の生産森林組合や「自伐林家参加型」の木質バイオマス利用システムが山林所有者の支援システムになっていくようにしないといけないですね。今我々が手がけている事業は林業界にとって、実に大事な事業であると言えるのではないでしょうか。
[PR]
by ken_nakaji | 2010-02-11 22:13 | 森林 | Comments(0)
←menu