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木質バイオマスエネルギー利用は地域雇用や地域林業のセーフティネットに

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仁淀川町より連絡があり、木質バイオマスエネルギー利用のための林地残材収集運搬状況があまりにも順調すぎて、9月末をもって収集運搬の促進策として実施してきた地域通貨による環境支払いの今年度分を終了するという通知が届きました。この予算は計画収集量分(林地残材2000t分)用意していたものがなくなったということです。半年で計画分が集まっていますので、4000t/年ペースであるということですな。すごいペースです。収集運搬している個人登録も70名を超えました。

これはどういうコトが言えるのでしょう。現在原木価格はかつてない安値になっています。スギ:1万、ヒノキ:2万ぐらいがそこだろうと1年前までは言われていたのですが、そこからさらに3~4割安くなっています。
1年前まで大盛況であった、合板や集成材の大規模工場は入荷を今年前半は止めていました。再開はしたようですが、9000円/m3ぐらいで取引されていたのが、現在は3~4000円/m3程度とのことを聞きました。材価はメチャクチャです。チップ材も大きく下落しているようです。林業(素材生産業)はメチャクチャと言うことです。

こういう状況の中、地域循環型であまり市場の影響を受けない形の、木質バイオマスエネルギー自給システムの価値が上がっているということでしょう。材を搬出したはいいが、行くところのない材の受け皿になっているのだ。これはどういうコトか。地域林業のセーフティネットになっているということだ。また、数万円から20万ぐらいの収入になっている方々が増加し、副業とはいえ、地域雇用のセーフティネットになっているのである。

これはすごいことではないだろうか。木質バイオマスのエネルギー利用システムがこういう機能を持っていたと言うことは、あまり想定されていなかったことではないだろうか。こういう機能が発揮されていると言うことは、ある意味公共事業として対応してもよいと言うことではないだろうか。このシステムの最大の問題点はプラントの採算性だ。地域のセーフティネットの機能があるいじょう、公共のサポートを得て、このシステムが各地に配置されることを期待したい。プラントの数が増えれば採算性も改善されてくるであろう。
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by ken_nakaji | 2009-09-21 09:15 | 森林
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