「木の駅」プロジェクト

NPO法人土佐の森・救援隊をモデルにしてくれた取り組みが、岐阜県で始まりました。順調に立ち上がり、成功を祈りたいですね。応援しまっせ!

NPO法人夕立山森林塾 主催

●事業目的

 夕立山森林塾と杣組(そまぐみ:NPO坂折棚田保存会専門部)がコーディネートして「木の駅」を設置運営することで、零細小規模農林家による林地残材収集・出荷を支援する仕組みを確立する。それを契機として間伐を促進させるとともに、地域通貨券の発行・流通を通して商店、都市住民との協働による地域活性化を行う。
 農山村ではほとんどの家が所有している軽トラックを活用して林地残材(C材)を収集・出荷しやすい「木の駅」を設置する。出荷を促進するために出荷奨励を環境支払いとして地域通貨券で支払い、地域振興にリンクさせる。併せて農林家にたいして、造材、集材等について技術講習会を開催して啓発を行う。「木の駅」には検量機の他に、将来は付帯設備としてはペレタイザーや木炭化装置、木質バイオマス発電、木工施設等を設置も想定し、名称通り木材・森林資源利用の総合拠点化を目指す。
国交省の「道の駅」設置で産直コーナーへの農産物の小口出荷で地元の婦人たち元気になり、農地やマンパワーの有効利用が図られて地域振興に大きく貢献している。同じく、「木の駅」へのC材出荷を契機に、地元の男性たちや山林が元気になるモデルを構築し、実現する。
 岐阜県恵那市中野方町は、日本棚田百選に選ばれた坂折棚田があり、これまで「えな山村塾」「夕立山森林塾」はじめ活発な地域おこし事業が展開されてきた。その結果、NPO坂折棚田保存会内に地域森林整備組織「杣組(そまぐみ)」が創設され、佐藤林業が新規開業するなど森林整備意欲が非常に高まっている。農産物の「道の駅」以上に地域の経済、環境に大きく貢献する「木の駅」の設置で山村振興の起爆剤にしたい。

●特にアピールしたい事項

 日本の民有林の森林再生における課題は人工林整備に無関心な山主をどのように誘導するかにある。長期契約や団地化を進めるにあたっても、そのきっかけを掴めないでいる。市町村の林業行政も同じである。その温度差は大きく、どのように協働するかが課題である。
そのきっかけづくり、動機づけとして本案の果たす役割は大きい。
 本案のモデルは高知県いの町における「NPO土佐の森救援隊」の活動にある。そのキャッチフレーズは「C材で晩酌を」である。C材を軽トラックで運んで集積所へ運び、軽量して1トン3千円の対価に加えてトン3千円の環境支払いが地域通貨(モリ券)で支払われる。集荷されたC材は森林組合で分別し原木のままチップ工場とNEDOの木質バイオマスプラントに配送されている。1年あまりでこれまで2戸しかなかった自伐出荷林家が50戸まで急増させ、プラント稼働のほとんどを安定供給するという成果を上げている。さらにモリ券発行を通じて商店や一般消費者、都市からの森林ボランティアなどからも高い評価を得ている。このシステムは、一見NEDOのような巨大事業と一体のものと考えられがちで他地域へのノウハウ移転は困難な印象を与えてしまう。
しかし、集積場(「木の駅」)の設置とプラス3千円のモリ券による支払いと、それらをコーディネートする健全なNPOがあれば、一般的な農山村(本計画の岐阜県恵那市はいの町とほぼ同じ面積や条件)でこのノウハウ移転は可能である。本案でそれを実証する意義は重要である。
本案では、出荷登録者になる(プラス3千円支払いの権利)ゆるやかな条件(努力義務)として境界確認や林地調査、団地化を課すことにする。このことで長期的な森林整備が可能になる。また、「木の駅」の付帯施設(木炭化、ペレット化、木工利用、木質バイオマス発電など)の拡充を通じて、「木の駅」が森づくり木使いの拠点となって、モリ券運用でより広範な階層を巻き込んだ地域活性化を図ることができる。さらに、いの町で実証されたように零細自伐林家の増加と定着は、材の安定供給を可能にして、特にC材については安定供給による価格交渉力も獲得できることになる。また、各種調査の実施と分析は、今後他地域への普及を図る時の重要なDATAとなる。
本案では初期投資は必要なものの実際には月100トンの集荷で年間360万円の財政負担にとどまる。その負担もJ-VERや企業のCSRによる負担も期待できる。一方その経済効果、地域活性効果は計り知れない。
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by ken_nakaji | 2009-09-09 20:45 | 森林 | Comments(0)
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