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平成27年度末、東京での自伐型林業フォーラムを盛会の内に無事終了しました。
増え始めた若手林業家たちとベテラン林業家との師弟対話です。テーマは持続可能な森林経営です。
月尾嘉男先生からも示唆をいただきました。
来年度もさらに進展させたいですね。

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高知県も縁が深い月尾嘉男東大名誉教授が自伐型林業に言及してくれています。
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日本農業新聞が社説にて自伐型林業に言及してくれました。
中山間地域農業再生の切り札としてです。
時代が進み始めています。本質に気付き始める人が増え始めました。農業界が気付き始めたとは大きいですね。今後は観光業界も気付き始めるでしょう。
気付かぬは林業業界ばかりなり、という状況でしょうか。
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鹿児島中央駅横のホテルの窓から見える桜島は大迫力です(最後の写真)。

鹿児島県出水市にて自伐型林業研修(作業道敷設研修)をおこなってきました。
講師は奈良吉野の岡橋さんです。
10人参加されましたが、そのうち4人は30歳前後の若者で、自伐型林業やる気満々です。2人ごとのチームで、1チームは主業として対応していく計画です。もう1チームはタケノコとの兼業型です。さらに請負事業体を辞めた40歳代の方は、一人で自伐林家を目指したい希望です。みなさん若いですので活気があります。
自治体がそれをサポートできるかが今後の課題です。
若者4人は岡橋さんを師匠とすると宣言し、昨晩飲みながら盛り上がっていました。岡橋さんは全国に弟子がどんどん増えていますね。いい現象です。

出水市の2日目の作業道研修、順調に延長が伸びています。研修を受けている若者がかなり上手くなってきました。昨日から50mは敷設したのでないでしょうか。今日は岡橋師匠による洗い越しの実演もありました。
午後からは、来年度以降どう具体化するか、現場と役場とで検討会を持ちました。また岡橋師匠による持続的森林経営の講義もありました。役場としてはまだ来年度予算化は決まっていませんが、具体的要望を挙げることができました。さらなる進展につながるよう、皆で協力しましょう。
それにしても今日は春本番で快晴!気持ちよい1日でした。

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陸前高田市での今年度最終の研修(作業道敷設研修&経営相談)をおこなってきました。
今回の経営相談会では、集落営林型の自伐展開したい地域の山林を見てきました。十分業として成り立つ山林でした。山林をまとめて担い手を育成する形で、モデル事例化しようということで合意しました。来年度それに着手できるよう段取りたいですね。
また、大船渡市と陸前高田市に130ha所有する地主さんが、山守(自伐型林業者)を確保したいということで相談がありました。山林も十分成り立つ山林でした。
陸前高田市でも自伐展開したい人たちが陸続と現れてきております。来年度が本番ですね。皆さんよろしくお願いします。
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先日の北上での自伐型林業フォーラムの模様が、岩手日日新聞に紹介されています。
また、昨日関西では朝日放送のキャスト(夕方5時~7時)にて紹介されたと連絡を受けました。
かなりマスコミも重要視してくれ始めたようです。地方創生のカギであることが徐々にわかってきたようですね。
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先週は、熱海市役所の視察と朝日放送のテレビ取材を同時にこなしてきました。
安藤さんの6次産業化自伐林業、谷岡君の専業自伐林業、梢ちゃんの夫婦自伐型林業、宮崎君の観光との兼業自伐型林業、佐川町の地域おこし協力隊(移住型自伐林業)を見てもらいました。
特に梢ちゃんの夫婦自伐林業が注目されました。
1枚目の写真から、嫁の梢ちゃんが作業道を敷設する、夫の勇太君が支障木を伐採する。二人で枝払い&造材、整理。見事な連携プレーです。取材中にも数m敷設が進みました。
高知県内では、夫婦で自伐型林業を展開するチームが増えています。谷吉・梢ちゃん夫妻、浜口夫妻、大久保夫妻、これから始める中平夫妻と、彼らを指導する橋本師匠は夫婦自伐林業を30年前から実践しています。

熱海市役所の方々や朝日放送の方々も、大いにびっくりされていたことでしょう。どんどん自伐による夫婦林業や親子林業が進展してもらいたいですね。

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2月7日(日)には岩手県北上市にて自伐型林業フォーラムをおこなってきました。北上の地にも着実に自伐の足音がし始めました。
参加していただいた人数は160人を超え、スタッフ・関係者を入れると200人近い参加数となりました。
今回は三菱製紙さん、北上ハイテクペーパーさん、新北菱林産さんという需要側企業が主導で取り組みが進み始めていることが特徴です。
岩手県は同時多発的に動きが始まっています。まずはモデルとなる人たちを育てていきたいですね。それから広葉樹による森林経営モデルを創出することへも挑戦することになります。
岩手の皆さん、よろしくお願いいたします。
動画も配信されているようです。
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日本一の林業地と言われる奈良吉野。
この吉野でも自伐型林業が広がっています。元来、吉野林業発展の源である「山守制度」は自伐型林業システムです。
我々が自伐型林業を発想するもとになった仕組みです。
吉野は高度成長期の材価が高騰した時に大発展しますが、このバブルが元来の山守制度が崩れてしまったことが、その後の衰退を招いたと思っています。故に、吉野林業再生は自伐型林業、つまり本来の山守復活にかかっているのでは思っています。
それはともかく、既に民間レベルでは大山林所有者たちが、直営による自伐や自伐型の山守復活に動き始めています。
その流れに動かされて、自治体も検討し始めています。
今回のフォーラムは吉野林業地の隣の宇陀市でおこないました。宇陀市にも理想的な自伐林家が存在しています。さらなる動きに発展させたいですね。
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震災から5年が経とうとしています。その被害地である三陸沿岸地域で自伐型林業が広がってきました。
写真は陸前高田市でおこなった搬出研修と山を見ながらの経営相談の模様です。
陸前高田市は今年度から自伐型林業研修を本格化させ、林業による仕事づくりに着手しています。
大槌町では吉里吉里地区だけだったものが、大槌町全体の取り組みに発展中です。
気仙沼市では木質エネルギー施設が本場稼働し始め、自伐型林業者育成も本番を迎えます。
南三陸町と登米市、石巻市でも民間事業体チームが育ってきました。
また、宮古市、田野畑村、北上市(製紙メーカー主導)、花巻市でも始まりそうです。
5年間、通ってきた成果が大きくなろうとしています。気を引き締めて、今後も支援させてもらいたいですね。
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年始はなぜか、遠藤五輪大臣室からスタートです。
翌日は、Y県庁でヒソヒソ話をしてきました。
その翌日は奈良吉野へ移動して、自伐議連の田野瀬事務局長の紹介で自治体幹部の方々と自伐展開の協議、また宇陀市でおこなうフォーラムの打ち合わせでした。
とにかく急速に自伐に興味を持ってくれる方、そして実行に移す人たちや団体が急増しています。頼もしいかぎりです。
今回の遠征の最後は、和歌山みなべ町です。既に自伐展開し、2チーム7人が始めていますが、さらに一歩進めるため、拡大と深耕するために訪問してきました。
どの地域も、皆さん前向きで活気があって元気です。地方創生を実現させるために、皆さん頑張りましょう。
今年もよろしくお願いいたします。
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11月9日から12月26日までの全国ロードは、かなりハードでした。この間、家に滞在できたのは3日間でした。
由利本荘市→富士吉田市→東京→栃木→熱海市、埼玉小川町→飯能市→東京→鳥取智頭→仙台→登米市→米原市→長浜市→福井市→東京(相談会・自伐議連勉強会)→智頭町→四万十市→宿毛市→西予市、岩手県大槌町→九戸村→陸前高田市→気仙沼市→石巻市→会津若松市→北上市→東京、鹿児島出水市→大阪→徳島、です。
かなりの数の地域を転戦しましたが、以前と違うのは、このほとんどの地域が自伐展開を開始している、またこれから開始するというアクションを起こしている地域が多いということです。
情報提供だけのところは会津若松市だけで、また具体的展開までは至ってないが検討中は埼玉小川町・九戸村・登米市です。他の地域は全て既に自伐アクションを起こしている地域です。今年一気に増えてきました。情報提供の時代から展開・実践に移ってきました。

今年までの成果をまとめると
 ・自伐を政策的に位置付けて自伐推進を始めた市町村:14自治体
 ・自伐支援を始めた県:3県
 ・高知県の成果:高知県が自伐支援を予算化し、小規模林業推進協議会を設置
    既に会員が約280人、自伐展開を始めた人が100人越え(100人以上の就業創出
 ・全国で自伐展開し始めた事業体(チーム)数:30事業体以上、人数では200人以上
 ・自伐型林業研修を始めた地域:13地域
 ・自伐型林業普及推進議員連盟(自伐議連)が衆議院参議院議員合わせて43人で立ち上がった
   会長:中谷元氏、代表代行:新藤義孝氏、幹事長:坂本哲志氏、事務局長:田野瀬太道氏、事務局次長:高野光二郎氏

やっと「実装」や「普及」という言葉が現実味を帯びてきました。
この実績は推進組織が確立してきたこと、事務局スタッフや、現地の推進団体が増えてきたことが、この成果につながっています。
まさに地方創生の現実化ですが、気付かない人もいれば、気付きたくない人も多いようですね。林野庁などは、つい最近の林業団体の会合で、私と自伐批判を繰り返していたと、参加した人から聞きました。つまりこの成果は林野庁の支援を受けずに、出た成果ということです。林野庁が目を覚ませば、凄まじい成果を生み出す可能性があるのですが。早く目を覚ましてほしいですね。
高知県だけで100人以上の就業を創りだしているのです。それも森林環境を保全し、持続的森林経営を確実なものにしているのです。森林組合などを遥かに超越しているのですが、ほとんどの皆さんが気付かずに進んでいるのです。

まあ、それはともかく、来年は、さらにこの展開を加速させたいですね。皆さん、よろしくお願いいたします。
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最初の6枚は、ある森林組合が実施した間伐現場で、最後の2枚が2年目の自伐型林業者が実施した間伐現場です。
みなちょうど同じ年(昨年度)に実施しています。
 前者(前6枚)は、列状間伐・過間伐・谷を追っかける作業道・1回の施業時でしか使う意図のない作業道、となっています。山林の入り口には「間伐展示林」と看板がありました。
 後者(後2枚)は、初めて2年目の若者が実施した間伐現場です。持続的森林経営を実証されているベテラン自伐林家に習いながら、長期的経営視点を持っておこなった現場です。

一見しただけで、明白に後者の間伐現場がレベルが上であることがわかると思います。前者は次回皆伐するしかないような山となっており、今後風倒木や土砂流出も起こす可能性が高い山となっています。持続性ほとんどなしです。伐採業者化(委託・請負型)と高性能林業機械化がどうしてもこういうレベルにしてしまいます。今全国の森林組合等が伐採業者化しています。
林野庁の審議会等の資料を見ていると、持続的森林経営を伐採業者の企業経営と取り違えていることがわかります。先日もある自伐林家を訪問した林野庁の課長が「最近始めた自伐林家はレベルが低い」と言って帰ったそうですが、これは伐採の仕方のみを見ているのであって、林業で最も大事な間伐技術や持続的森林経営技術が見えてない人の発言です。間伐技術や経営技術は全く逆で、2年目若者が遥かに高レベルです。この事業体の方が、非常にレベルが低いと言えます。ベテラン自伐林家からすると素人状態です。持続性や環境保全性がほとんどない状況です。もう終わった山と言えます。全国で同じ現象が起き、森林組合等の事業体の間伐レベルがとても低くなっています。大規模な木質発電所によりさらに加速する恐れも高いですね。これは非常に危惧しなければならないことです。加速すれば日本林業が終わってしまう可能性も高いと言えます。固定した山を持続的に森林経営する自伐型林業者が増えなければ大変なことになりそうです。

残念ながらここに気付いている人が少なすぎます。とにかく気が付く市町村や地域住民を増やしていくしかないですね。間に合うかどうか。

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現行林業と自伐型林業の比較Part-5です。
 前回は、所有と経営の分離政策の問題点を挙げましたが、今回は施業手法です。現行林業の予定調和は「50年皆伐施業」です。約3千本を植林して、下刈りを繰り返し、20年頃除伐をおこない、30~40年目で間伐し、50年で皆伐(主伐)して、再造林するという循環です。高校の教科書でも映画「WoodJob」でもそういう説明をしていると思います。
 この手法の最大の問題点は、現行の材価では採算が合わず、成り立たないということです。山林所有者が森林組合に委託し主伐(皆伐)すると、山林所有者の収入は平均約50万円/haです。最近はさらに下がっているようです。その後、再造林すると約100万円/haかかります。早くも50万円の赤字になります。その後も下草刈りを7年程度おこなわなければならず、費用が積み上がります。再造林にかかる費用は250万円程度かかるとされています。その原資が50万円なのですから、全く話にならない状況です。とっくに破綻した手法と言えます。過去、国有林や各県の県行造林・林業公社等が大赤字になり、大山林所有者が破たんした主原因はこれです。再造林するには再造林費用を全て補助金で見てくれないとできないのです。再造林できても次に下刈り費用、シカ被害と難題続きです。つまり現状の木材価格下では、この手法は持続的(循環的)な林業はできないということです。しかし、森林・林業再生プランや現行林業政策もまだこの手法を変えていません。まだ全面的にこの手法を指示しているのですから、この学習能力のなさは極まっています。困ったものです。
 この面的な皆伐施業は、過去の経験上も林業と木材産業に大打撃を与えます。高知県東部では魚梁瀬(やなせ)杉の産地でした。吉野杉に匹敵する銘木でしたが、戦後の皆伐施業により、生産はほとんどなくなり保護地区が残るばかりです。戦後たくさん存在した林業者は全国各地へ移住し、製材業者は見る影もなく消え失せました。残った集落を襲ったのはハゲ山による土砂災害でした。これにより、山間集落は海辺の集落に集団移転し、山間地の村は消滅しました。皆伐施業がもたらした悲劇です。同じような地域が全国にも存在すると思います。今また、伐期が(50年を過ぎた)きたからと言って皆伐してしまえば、また同じことに繰り返しです。今回は再造林できない状況ですので、その地域の林業を消滅させてしまう可能性も高くなるでしょう。中山間地域の8~9割を占める山林が数十年使えなくなったその先には消滅自治体が待っていることでしょう。
 では一方の自伐型林業ではどうなるか。限られた山林から、毎年安定的な収入を得ていかなくてはいけないため、この皆伐施業はできません。択伐施業になります。択伐施業でも長期(最低100年以上で、可能であれば200年以上)を目指します。皆伐施業一辺倒の現行林業関係者は全く気付いてもないようですが、長年択伐を展開している人たちは当たり前なのですが「択伐マジック」という現象があります。自伐が採算の合う要因に低投資・低コストに加え、この択伐マジックが「儲かる」主要因となります。多間伐を7~10年ごとに繰り返し(間伐率は蓄積量の2割以下)、残った木を成長させながら面積当たりの価値を最大限に高めていく手法です。この際、多間伐を繰り返す故、本数は減っていくのですが、蓄積量は増えていきます。この増えていくことがミソなのです。これが木の生長量を利用するということです。材積が増えると同時に単価も上がるのです。たとえ単価が上がらなくても材積を増えるということは収入が増えるということです。例えば、奈良吉野の250年のスギの森では1haあたりの材積は1500m3もあります。この森は過去約20回の収入間伐おこなってきています。残った森の材積が1500m3ということです。50年生のスギだと300m3です。250年ということは50年皆伐を5回できます。5回の生産量は1500m3ということになります。吉野の残った森と同じ材積です。択伐施業では20回の間伐の生産量が50年皆伐の生産量より多いということです。おそらく3倍以上の生産量となるということです。当然、100年を超える木というのは単価も上がります。収入は10倍どころではなく、100倍に達するのでは思います。吉野では120年を超えると2割間伐の収入が、50年皆伐収入である約300万円を超えるようです。120年以降の間伐は常にこういう状況になるのです。実際に今年、100年生の山を2ha間伐(2割間伐)した人は約400万円の収入になっています。
 故に50年皆伐というのは、最も儲からない林業と言うことです。本当の木の生長は75年を過ぎてからだと植物学者が言っていたのを思い出します。木が幼少の時に伐ってしまっては、もったいないの一言です。択伐施業では収入が安定してくるのが80年を超えてからと経験者はよく言われます。50年皆伐はその前に伐ってしまうということですので儲からなくなるということです。自伐はこのようにして少ない面積で森の価値を上げながら収入を得、さらに次世代に引き継いでいくのです。80年以上の山を引き継がせてもらった若者たちは皆、喜んで林業をおこなっています。当然のことです。こういう森を創ることが後継者を残す最大の手法と言えます。

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現行林業と自伐型林業の比較Part-4です。
 現行林業(委託・請負型)の林業経営の方向性は「所有と経営の分離」が基本です。行政は所有と経営の分離政策と言っているようです。この理論は本来、企業における株主と経営の分離です。これを強引に林業に持ち込み、山林所有者を経営から分離させることが正しいかどうかということです。山林所有者=投資家と言うことなのでしょうか。
 それはともかく、分離された状態で山林所有者が毎年林業により収入を得ようとすると、古い林業家からはよく聞きましたが毎年約20ha程度皆伐を委託し実施するという手法となります。現在だと約50万円が山林所有者の収入となるため年間1千万円の収入となります。経費も多少かかるでしょうからこの程度は必要となるでしょう。そうすると50年で回すとすると1千ha以上所有していないとできません。以前はよく「千ha以下の所有者は林業経営者にあらず」と言われたのはこのことですね。森林・林業再生プランの集約化の議論でも常に千ha以上必要とよく言っていましたね。つまり千ha以下の所有者は毎年一定以上の収入を得ることは厳しくなります。100ha以下や数haとなると、数十年に1回の収入となります。小さければ小さいほど不利になります。故にこの所有と経営が分離された林業の世界では、小さい山林所有者ほど意欲が無くなってくることは必然です。林業白書では常に「小規模山林所有者に意欲がない」と批判していますが、日本の大半を占める小規模山林所有者の極端な意識低下は林業政策がそうさせていることを知るべきです。
 次に森林経営についてですが、山林所有者は経営から分離され実質的森林経営を放棄していますが、では請負事業体が森林経営しているかと言うことです。現状、森林組合や素材生産業者が何を請負、何を実施しているかと言うと伐採と搬出です。つまり素材生産です。素材生産業の企業経営をおこなっているということです。これは森林経営ではありません。森林組合が管轄するエリアの森林は広大です。素材生産業者は広域に山を転々とします。これで森林単位の森林経営など不可能です。全国で森林組合がきちんとした森林経営をおこなっている事例など見たことありません。山林所有者も請負う事業体も森林経営をおこなっていないということは、日本から森林経営が消滅したということです。正直、きちんとした森林経営を実施している人は、私の目から見て自伐林家の一部に残っているのみです。この森林経営の消滅はこの所有と経営の分離政策の最大の問題点です。さらに残念なのは行政や林業関係者が、素材生産業の企業経営を森林経営だと勘違いしている点です。林業界のほとんどの人がそう捉えているとしか思えません。これも大問題です。この程度のことがわからないとなると林業学が劣化しているとしか言えません。
 故に所有と経営の分離政策は、日本林業の根幹を揺るがす問題点を孕んでいます。衰退産業化、「林業は儲からない」の根本問題は「所有と経営の分離」が引き起こしているのです。この手法を何と日本林業は半世紀も継続しているのです。皆おかしくなっているとしか言えませんね。
 1人の森林経営者が森林の情報や地形を熟知して持続的森林経営を実施する場合、適切な面積は30~200haだと考えています。日本において本当のプロと言える森林経営者は100ha前後を所有し、きちんと自伐している一部の林家や自伐化した大山林所有者にのみ本格的で持続可能な森林経営が残っています。所有と経営を分離した手法が大前提の現行制度のフォレスターや森林施業プランナーなど、この自伐林家たちからすると全くのど素人といえるでしょう。

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現行林業と自伐型林業の比較Part-3です。
現行林業の問題点を述べる前に、整理する大枠(視点)を述べておきたいと思います。
 林業手法は一般の方からすると、ブラックボックスのようでまるでわからないということをよく聞きます。ちょっとでもわかりやすくするために、林業評価を、①林業経営の方向性、②施業手法、③使用機械や作業道に関する考え方、の3点から見るとよりわかりやすくなると考えます。

現行林業の特徴を番号順にまとめると以下のようになります。
① 所有と経営の分離
山林所有と経営・施業を分離させ、請負う事業体を経営主体として林業をまわしていく。請負事業体は素材生産業が主体故、企業経営が主となり、森林経営と言う視点は薄い。
② 皆伐施業
約3千本/ha植林後、下刈り、20年目に除伐し、40年目に間伐し、50~60年で主伐(皆伐)し、再造林を繰り返す林業手法
③ 高性能林業機械の使用
出材コスト低減を目指すために、大量の材の処理を大前提にして高性能林業機械による生産性向上させ採算を合わせることを主眼としている。間伐施業では1人1日10m3以上が条件や目標となる。

自伐型林業をこれに対比させると
① 所有と経営を極力近づける(一致がベスト)
所有者と実施者が違う場合でも、実施者はその山を離れずに継続的に実施する山守型
② 択伐施業
約5千本~1万本/haの密植後、下刈り枝打ち、20年目の除伐後、材積の2割程度の収入間伐を10年ごとに繰り返す多間伐手法。基本的には150年以上を目指し、極力長く展開する。吉野林業地では250~300年生で択伐継続中の山も現存する。再造林は数反単位の小規模更新や天然更新等があり、低コスト・低労働でおこなう。
③ 身の丈に合った小規模機械
幅の狭い(2.5m以下)高密度な作業路網敷設により、小規模機械(ミニユンボ+2トントラック・林内作業車等)での施業を可能とさせ、低コスト化と持続性・永続性を実現させている。

次回から現行林業が、どうして衰退産業化したか「林業は儲からない」が一般化したか、その問題点をあげていきたいと思います。先ほど、林野庁のHPを覗いてみましたが、今年の林政審議会もこれまでの延長線上の議論を加速させています。私が言うような論点はほとんど見られません。ちょっと怖ささえ感じてしまいました。


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# by ken_nakaji | 2015-12-07 14:22 | Comments(0)
富士の後は栃木県のゴルフ場に行ってきました。
ゴルフをしに行っていたわけではありませんが、久しぶりにやりたくなりましたね。
このゴルフ場、薪ボイラー(ガシファイアー)を導入して、ゴルフ場からで出る原木を燃料として、約1千万円の燃料代を削減しています。純利益1千万円を稼ぎ出したと同じ効果です。
実はそれだけでなく、私が今回訪問したのでそれに加え、ゴルフ場林業の可能性を探るためです。十分可能であることが確認できました。
これはゴルフ場だけでなくスキー場でも可能です。観光地の旅館でも可能なのです。全く新たな林業スタイルです。ゴルフ場経営の経費削減だけでなく、さらに付加価値化できるおもしろい展開ができそうです。具体的設計はこれからですが、可能性十分ありですね。自伐型林業の凄いところはこのように新たな展開を創出できる幅の広さ、懐の広さがあるという点です。
森林組合等の専業型の現行林業では全く想像すらできない展開でしょうね。
このゴルフ場内では農場も展開されており、直販やレストランにて使われていました。このあたりもこのゴルフ場のセンスの良さですね。
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鳥海山から富士山に変わりました。午後から快晴です。
富士山周辺でも自伐の動きが活発化しそうな気配です。この地域の特徴は、山林が大きいことです。
大規模山林分散型の自伐展開ができるよう支援していきたいですね。
山梨県ではまだ本格的な展開されていませんので、富士吉田市の方々に期待したいですね。
自衛隊の演習林管理していることや、地方創生の取り組みとして展開したいとの希望もあり、石破大臣と中谷大臣よりメッセージも届いておりました。
富士吉田周辺だけでなく三島市周辺や熱海市でも検討中です。
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由利本荘市にて昨年度から自伐展開を小さく始めた、地域住民グループを中心に集中研修をおこなってきました。
最後の2日間は快晴、岡橋さんによる作業道研修と経営相談もおこないました。
今回の研修中(1日半)に敷設した延長は、約40m、支障木15本(約3mに1本ほど)です。
50年生の杉林で、このあたりの山林としては一般的な山です。
50年生なので1本あたりの材積は約0.3m3です。
今回の作業を2人で2日でおこなったとすると
 ・敷設延長:40m
 ・搬出材積:4.5m3(3m3が近くの合板工場:約15㎞、
       発電所へ1・5m3:約1トン)
この作業の売上がどうなるか
作業道補助金が2千円/mだと、作業道補助金が8万円+合板工場3万円(m3:1万円)+6千円(トン:6千円)=11万6千円となる
経費はユンボーの2日間のリース料+回送費:2万5千円+2トンユニック車借り賃:5千円+ユンボ・林内作業車・トラック燃料:軽油30㍑:4千円=3万4千円
2人分の日当=11万5千円ー3万4千円=8万1千円(1人約4万円)
となります。
どうしてこういう計算をしたかと言うと、ちょうどこの2日間の研修内容が自伐型林業者にとってとても一般的な頻繁に行う作業であるからです。立地が悪くて延長が半分になっても、2万円近くは何とか確保できるということです。
間伐をこれから始める山林は、この繰り返しで、作業道が一定入れば2割程度の間伐の実施です。30mピッチで入っていれば林内作業車で簡単に搬出できますね。高コストな高性能林業機械など全く必ありません、これが本当の低コスト林業です。伐開幅が小さいですので風も入りません、雪にも耐えられるでしょう。2割間伐(材積ベース)ですので10年以内にまた次の間伐ができます。その際総材積は今回より増えているので同じ2割間伐でも材収入がアップします。これが持続的林業の基本です。
変な巧妙な補助金など本来必要ありません、重要なのは長年継続して利用するための作業道敷設補助金です。それも高額は必要としません。国と県と市町村で合計2千円程度でよいのです。そうすると山林所有者や地域住民等が一気に参入できるのです。
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現行林業と自伐型林業の違いのパート2です。

 今回から各論的に比較してみたいと思います。
 自伐型林業の定義は、限られた森林を離れず(山守型)、自ら持続的・永続的に管理・施業しながら、持続的に収入を(毎年)得ていく自立・自営の林業です。この際の山林は、自己所有(純粋な自伐林業)であることに越したことはありませんが、契約であってもこの定義が守られていれば自伐型と言えます。
 自伐型の特徴は、山が限られ、その山林で持続的に経営していかなければならないため、管理する山林に常に出荷できる原木がなければいけません。収入を上げていこうとすれば、その山林の木材の価値(単価)を上げるか、管理森林を多目的に活用し、木材生産以外の生産活動(森業・山業的な副業)を付加するしかありません。故に良好な森林の維持が絶対条件になります。これは良好な森の維持と収入をあげる施業とを両立させる、非常に優れた環境保全型林業と言えます。1回の施業の採算性より、長期的な森林経営とその採算性を優先させ、面積当たりの森林の価値を最大限に上げていくことによる持続的な安定性を求めます。つまり価値創造型林業で農耕型林業だと言えます。故に林業用語で言うと「長伐期択伐施業」化していきます。

 一方、現行林業の特徴を簡単に言うと、所有と経営を分離させ、山林を集約し、高性能林業機械を導入した請負事業体の施業を大規模化させた生産性と生産量を追求する大規模な林業と言えます。また施業単位に採算を合わせ、終了すれば次の山と、山を転々と渡り歩く狩猟型林業と言えます。1回の施業にて大量の材を出荷し、合板や集成材工場に安定供給することを主眼に置いているので、皆伐施業が主となります。故に、皆伐を短い期間で回すことが優先され、現行林業の予定調和は50年皆伐となっています。つまり「短伐期皆伐施業」ということです。

 このように、自伐型と委託型は真逆の手法なのです。全く違う手法なので、きちんと分類されなければいけませんし、どちらでもよいというものではありません。正直分水嶺の如く違っており、どちらを選ぶかにより全く違う森にもなるし、森の見方・接し方・経営手法・使用機械・作業道路線と敷設手法・収入・支出構造に至るまで全く違うものになります。ひいては日本林業が全く違うものになるということです。これまで林学ではこの最重要部がまったく抜け落ちていたと言えます。これまでの分類は、森林組合か業者か個人かという担い手を分類し、つまらない差別や競争を引き起こしてきた感があります。担い手を分類して競合させるのではなく、手法を分類し、担い手に選ばせることが重要であると思います。

 次回は現行林業の問題点について述べ、その後自伐型林業がその問題点を解決できるかという感じで進めていきたいと思います。


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